阪神ロサリオ45打席ぶり“大花火”「結果が出せて良かった」

[ 2018年5月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8―3阪神 ( 2018年5月22日    倉敷 )

3回1死二塁、ロサリオは左中間に4号2ランを放つ(撮影・岩崎 哲也)
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 倉敷で大脱出だ。阪神は22日のヤクルト戦に8―3で快勝。ウィリン・ロサリオ内野手(29)が45打席ぶりの左中間4号2ランを放つなど、湿っていた打線が爆発した。13試合ぶりの2桁安打で、4得点以上も11試合ぶり。95年の開場以来、25勝14敗1分けとなった相性抜群の球場で長いトンネルを抜けた。

 ドーン!、ドドーン! 5回裏終了後、倉敷の夜空に色鮮やかな花火が上がった。地方球場ならではの演出を観客も満喫。もっともマスカットスタジアムに詰めかけた虎党を1番沸かせた“大花火”は、3回にすでにロサリオのバットから打ち上がっていた。

 「しっかり自分のスイングをすることができた。チームを助けるためにいつも準備をしているので、結果が出せて良かったよ」

 文句なしの一発だ。山田哲の2失策で幸運な形で2点を先制し、なお1死二塁。石川の4球目を振り抜いた打球は高々と舞い上がり、左中間スタンドに飛び込んだ。自身11試合、45打席ぶりの4号2ラン。試合の流れを完全に引き寄せ、くすぶっていた打線を目覚めさせる痛快弾だった。

 いい打撃ができた試合があっても、翌日にはバットが沈黙することの繰り返し。なかなか本領が発揮できない中、あらゆる方法で状態を上げる努力をしている。試合前には日本球界の偉大な先輩、バレンティンに歩み寄り「外国人はみんな初めの年は難しい。日本の野球にアジャストすることが大事。我慢が大事。全ての球が打てるわけじゃないから、狙い球を絞って打てる球を打つように」と金言をもらった。

 主砲の特大アーチに刺激され、続く糸井も右越え7号ソロ。お互いの本塁打後は“ラテンのノリ”がピッタリの仲良しコンビで、ジャンピングタッチで喜び合った。4回に福留の右犠飛、7回には梅野のセーフティスクイズなど小技も飛び出して2点を追加し、終わってみれば11安打8得点。12試合連続1桁安打、10試合連続の3得点以下という屈辱的な数字が止まったのは、4番弾の波及効果が大きかった。

 「久しぶりにスカッとする当たりで、糸井も続いてくれて。あれで少し雰囲気が変わった気はしますね」と金本監督。12日の広島戦から5試合は5番で起用したが、19日の中日戦から4番に戻したのも、やはり今季の打線の主砲はロサリオしかいないからだ。

 「若い選手も多いしみんなで状態を上げて、勝ちに結びつけるようにしていきたい」

 倉敷の夜空に響かせた快音を逆襲への号砲としたい。

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2018年5月23日のニュース