阪神メッセ、セ界トップ7勝!粘投6回3失点 地方球場8連勝

[ 2018年5月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神8―3阪神 ( 2018年5月22日    倉敷 )

3回2死、バレンティン三ゴロに打ち取るメッセンジャー(撮影・大森 寛明)
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 エースのプライドがにじむ粘投だった。阪神のメッセンジャーは22日のヤクルト戦、制球に苦しむなど本調子ではない中でも6回7安打3失点。チームを勝利に導き、自身もリーグトップの7勝目をマークした。

 「ブルペンは調子が良くて、(試合では)違う投球になってしまったけど。投手をやっていればこういう時もあるから」

 序盤からボール先行の投球を強いられ、毎回のように走者を背負った。4回に3失点し、2点差に詰め寄られながらリードは最後まで守った。「しっかり後ろに体重を残しながら、前に乗せられるように」と体重移動を強く意識して、修正を図った。5回で球数は111球に達し、6回も2死二、三塁とされたが、最後は西浦をスライダーで空振り三振。終わってみれば、今季9試合中、8度目のクオリティースタートで役割を果たした。

 “地の利”が味方した。昨年は7回1失点と快投を披露した倉敷で再び白星を手にして、これで地方球場では8連勝。地方の鬼が近年では最も苦しんだマウンドとなったが、意地を見せた。金本監督も「なんとか土俵際で踏ん張ったなというね。一気に大崩れしないということが信頼であり、エースですから」と頑丈な大黒柱に目を細めた。

 先週の名古屋遠征中には、尾仲、長坂、熊谷を食事に誘った。「たまたま、彼らの予定が空いていたからね」。今年はキャンプ中から例年以上にチームメートと外食する姿が目立つ。根底には「自分のやってきたことが遺産として仲間に残れば」と猛虎の未来への思いがあるからだ。

 「連敗ストッパーだけじゃなく、もっと違う役割もできればね」。波に乗れないチームの苦境に歯がゆい思いをしているのは、虎のエースに他ならない。その右腕で、活路を開いた。

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2018年5月23日のニュース