広島・中村祐、意地の続投も2敗 初回に打球直撃「ヤバいと思った」

[ 2018年5月23日 05:30 ]

セ・リーグ   広島0―8巨人 ( 2018年5月22日    宇都宮 )

初回、坂本勇の打球を右脚に受け悶絶する中村祐(撮影・荻原 浩人)
Photo By スポニチ

 意地の続投は報われなかった。「母親の実家がある」という栃木・宇都宮で初の“がい旋”登板に臨んだ中村祐。4回7安打4失点(自責3)の不本意な内容で2敗目を喫し、痛みに対して気丈に振る舞いながらも悔しさをにじませた。

 「最初は感覚がなくて、ヤバいと思ったけど、(ベンチ)裏でテーピングを巻いて行けると思った。開き直って投げたら感覚も良くなった。膝は問題ないです」

 初回が何とも不運だった。先頭・坂本勇の邪飛を、強風の影響でバティスタ、菊池が相次いで落球。揚げ句、6球目の打球がワンバウンドで左膝付近を直撃し、担架で運ばれた。続投は難しいと思われる状況にも、治療を終えると駆け足でマウンドへ戻ってきた。

 ただ、投球は彼本来のそれではなかった。次打者・吉川尚にはストレートの四球。1死後、阿部の6球目が暴投となり阿部にも四球で満塁とし、岡本の三ゴロが併殺崩れとなる間に先制点を献上。3回にも2死一、三塁から、亀井の左前へのポテン安打が適時打となった上に失策が絡み、長野の左前2点打で計3点を失った。

 「3回は2死から。そこは実力不足です。無駄な四球で走者を出し、それが失点につながってしまった…」

 思えば、前回15日の中日戦も4回で8安打6失点降板。初登板となる敵地の高いマウンドになじめず、11年のバリントン以来となる開幕4戦4勝を逃したばかりか、今季初黒星まで喫した。2試合連続で5回持たずに降板。悔しい現実だ。

 「前回がふがいない投球だったし、先頭打者でマウンドを降りるわけにはいかない…という、気持ちの部分は見せてもらった。そういう意味で、また次回に期待したい」

 緒方監督は、アクシデントにも気持ちを折らさず続投した中村祐に、巻き返し指令を下した。何しろ、筋金入りの負けず嫌い。親族が住む宇都宮での屈辱はきっと、今後の試合で晴らすに違いない。 (江尾 卓也)

続きを表示

2018年5月23日のニュース