ソフトB高谷が刺した!刺した!「必死こいて」初先発で35歳躍動

[ 2017年11月1日 08:07 ]

SMBC日本シリーズ2017第3戦   ソフトバンク3―2DeNA ( 2017年10月31日    横浜 )

<D・ソ>初回無死一塁、打者・梶谷の時、桑原の二盗を阻止する高谷
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 いぶし銀が魅せた。ソフトバンクの高谷が今シリーズ初の先発マスクをかぶり、攻守に躍動。お立ち台では「試合で使ってもらえたときに必死こいてやるだけ。投手の頑張りに尽きる」と女房役らしく振る舞った。

 肩で魅せた。初回、四球で出た先頭の桑原が次打者の2球目で仕掛けると、二塁へストライク送球。2死一塁となってから今度は梶谷を、同じように精度の高い送球で刺した。今季の盗塁阻止率は・194と振るわなかったが、大一番で意地を見せた。1イニング2度の盗塁阻止はシリーズタイ記録。立ち上がりに2四球を与えて不安定な武田を助けた。

 打撃でも魅せた。1―0の4回1死一、三塁でスクイズを失敗。明石の二盗後、前進守備を敷く内野の間を抜く中前2点打を放った。「スクイズを失敗してたので、最低でも犠牲フライ。いいところに飛んでくれた」とガッツポーズだ。工藤監督も「リードも含め、チャンスのところで素晴らしい打撃をしてくれた」と称えた。

 2年ぶりのリーグ優勝を決めた際には号泣した。昨季は左膝を手術。「いろいろと思い出して…。去年は自分がケガをして、優勝も逃してしまったので」。今でも週1回、保水効果があるヒアルロン酸の注射を左膝に打ち、「お肌もスベスベだよ」とオヤジギャグをさく裂させる。練習前には足を少し引きずり階段で痛みに顔をゆがめることもあるが「体が温まれば大丈夫」と弱音は吐かない。

 投手陣からの信頼も厚い好漢。9月1日楽天戦で起きた乱闘騒ぎでは顔面付近へのボールで東浜に向かってきた135キロのアマダーを、ベンチから飛び出した高谷が「ケガなんか気にしていられない」と羽交い締めにし、東浜の身を守った。

 11年目の35歳。お立ち台で同じ35歳の内川が「“じじい頑張れ”って言い合っています」と話すと笑ったが、すぐに切り替えた。「(王手をかけ)気を引き締めて準備するだけ」。ソフトバンクには頼りになるベテランがいる。 (後藤 実穂)

 ◆高谷 裕亮(たかや・ひろあき)1981年(昭56)11月13日、栃木県小山市生まれの35歳。小山北桜高から富士重工に入社も故障を機に2年で退社し、1浪を経て一般受験で白鴎大に入学。関甲新学生リーグ新記録の16本塁打を放ち、06年の大学生・社会人ドラフト3巡目指名でソフトバンクに入団。通算462試合出場で打率・192、6本塁打、86打点。1メートル79、84キロ。右投げ左打ち。

 ≪2度目タイ記録≫高谷(ソ)が初回に桑原、梶谷と2人の二盗を阻止。シリーズの1イニング2盗塁刺は14年阪神第5戦の3回に同じソフトバンクの細川がマートン、上本の二盗を阻止したのに並ぶ2度目タイ記録。

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