「清宮ジュニア」から「清宮幸太郎」へ 自らのバットで価値高めた清宮の3年間

[ 2017年7月25日 08:45 ]

21日の法政との試合後、「今日の熱いプレーは?」と聞かれ笑顔を見せる早実・清宮
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 今年1月から早実・清宮を取材して清宮の破壊力に驚かされている。豪快な打撃はもちろんだが、紙面価値としての高さに、だ。夏の西東京大会に限れば、ほとんどの試合でスポニチの1面をジャックしている。

 甲子園に出場した1年夏は6試合中、5試合が1面。1面でなかったのは4回戦の都府中西戦。「Every Little Thing」のボーカリスト・持田香織が結婚したという独自ニュースが最終版に入って差し替わった。しかし、早版までは2安打3打点の活躍を見せた清宮が1面だった。

 2年夏は敗退した準々決勝までの5試合のうち、3試合が1面。1面を奪えなかったのは4回戦の明治戦と準々決勝の八王子学園八王子戦の2試合。明治戦は日本ハム・大谷が球宴MVPを決める球宴初本塁打を含む猛打賞の活躍、八王子学園八王子戦は広島・黒田が200勝を挙げた日。いずれもビッグニュースが出た日だった。

 そして今夏もここまで3試合を戦い、2試合が1面。今夏唯一1面を奪えなかったのは横綱・白鵬が通算1048勝目を挙げ、元大関・魁皇(浅香山親方)を抜いて単独1位に立った7月21日だ。ここまでの3年で西東京大会で14試合を戦い、最終版1面が10試合。「1面率」は・714。清宮から1面を奪うのは相当な大きいニュースであることは過去の記事が証明している。

 高校入学当初に注目を集めたのは、少なからずラグビートップリーグのヤマハ発動機で監督を務める父・克幸さんの影響はあったはずだ。しかし、徐々に「清宮ジュニア」から「清宮幸太郎」として価値を高めていったのは高校通算106本塁打(7月24日時点)を放った自らのバットであることは間違いない。

 「(自分だけが)特別という感じはないですけど、注目していただいているのは本当にありがたいことで、普通の人生ではなかなか経験できないことだと思う。それが自分のパワーになっていますし、たくさん注目していただいて、たくさん球場に足を運んでもらって自分を応援してくれることは自分もチームも間違いなくそのパワーをもらっていると確信しています」と清宮は言う。注目を力に変えられるメンタリティー、人を惹きつけるコメント力。そして、多くの人を魅了する打撃力。今後も清宮の魅力を伝えていきたい。 (記者コラム・東尾 洋樹)

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2017年7月25日のニュース