能見 8回悪夢…江夏に並ぶセ最多4戦連続2桁奪三振も

[ 2014年6月7日 08:18 ]

<神・オ>初回無死、ヘルマン(手前)のバットをへし折って三ゴロに打ち取る能見

交流戦 阪神3-4オリックス

(6月6日 甲子園)
 阪神が6日のオリックス戦(甲子園)で、またも激痛の逆転負けを喫した。3―0で迎えた8回。1点を返され、なお1死二塁で登板した2番手・福原が、T―岡田に逆転3ランを浴びた。先発の能見篤史投手(35)が江夏豊(阪神)らに並ぶ4試合連続2桁奪三振のセ・リーグ記録を達成しながら、その後に待っていた悪夢…。カード初戦黒星は10カード連続となった。

 能見の胸の内に達成感はみじんもなかった。7回までに10三振を奪い、5月16日のDeNA戦から4試合連続で2桁奪三振を記録。阪神では71年の江夏以来で、セ・リーグ記録にも並ぶ力投が勝利に結びつかなかった。

 暗転の8回。先頭打者で迎えたヘルマンに対して1球もストライクが入らなかった。突然の制球の乱れが逆転黒星へつながる入り口になった。

 「慎重じゃない。いっぱいいっぱいだった」

 平野の右前打で一、三塁とされた後、糸井の二ゴロで失点。この121球目で交代した。後続を託した福原の苦投をベンチで見守り、痛恨被弾も見届けた。

 パ・リーグを代表するオリックス・金子との投げ合い。昨季の直接対決では1安打完封勝利で退けた好敵手に対し、今回も内容で上回る投球で回を重ねた。1回は糸井、ペーニャをフォークボールで連続の空振り三振。1死一、二塁に走者を背負った6回も坂口、T―岡田を連続で見逃し三振。窮地を持ち前の奪三振力で切り抜けた。

 「積み重ねでね…」。ゼロとアウトを刻み、10個の三振と引き換えに7回で108球を消費。確かに言葉通り「いっぱいいっぱい」だったかもしれない。和田監督から託された8回を1死で降板。福原の被弾した相手が2三振を奪っていたT―岡田だった事実も無情を誘う。

 中西投手コーチは「急にスピードが落ちた。糸井が(能見に)合っていなかったから最初から糸井まで…と考えていた」と振り返り、労いの言葉も添えた。「直球と変化球もコンビネーションがよかった」。チームが敗れてもエースの力投は色あせない。

 次の登板はセ・リーグ新記録への挑戦になる。「チームが勝つことが一番だから」。身上の“一番”に今回は届かなかった。2桁奪三振を続けた4試合でチームは1勝3敗の戦績。勝利と記録、どちらが主従か、能見は分かっている。記録が勝利に花を添えて初めて胸を張るのだろう。

 ≪19年ぶり4人目≫能見(神)が10奪三振。5月16日DeNA戦から4試合連続で2桁奪三振となり、95年ブロス(ヤ)以来19年ぶり4人目のセ・リーグタイ記録をマークした。連続試合2桁奪三振のプロ野球記録は、91年野茂(近鉄)の6試合。能見は次戦でセ新記録と、09年杉内(ソ)の持つ5試合連続の左腕最多記録に挑む。

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2014年6月7日のニュース