T―岡田 逆転V3ラン 金子救った「久しぶりに仕事ができた」

[ 2014年6月7日 05:30 ]

<神・オ>8回、逆転3ランを放ち、坂口(手前)と抱き合って喜ぶT―岡田

交流戦 オリックス4-3阪神

(6月6日 甲子園)
 オリックスが見事な逆転劇で阪神を倒した。7回まで能見の前に無得点に抑えられていたが、8回、T―岡田外野手(26)の逆転7号3ランなどで4点を奪い、白星をつかんだ。エースの金子も144球を投じた前回5月31日の巨人戦から、中5日での登板で6回2失点。負ければ首位陥落もあった試合で、底力を発揮した。

 その瞬間、甲子園特有の浜風がやんでいた。T―岡田の目には、はっきりと逆転の軌道が見えていた。「真っすぐに力があるので、そこに合わせていた」。8回、1点を返し、なおも2死一、三塁。福原の直球に狙いを絞っていた。

 2ボール1ストライクからの4球目、145キロ直球が真ん中に入ってきたところを強振。打球は右中間席に消える7号3ランとなった。4日のヤクルト戦から2戦連発となった逆転アーチに、ベンチに戻ると自然と笑みが漏れた。「入るか分からなかった。完ぺきではないが、浜風がなくてよかった。ここ何年も、いいところで打つことができなかった。久しぶりに仕事ができた」。10年本塁打王らしく、一発で試合を決めてみせた。

 能見の前に7回まで5安打に抑えられ、反撃の糸口がつかめなった。T―岡田も、6回の2死一、二塁で内角直球に見逃し三振。だが、あきらめなかった。「いつも、金子さんのときに援護できない」という借りを返したかった。さらに、もう一つ。先月下旬に、金子から“痛烈な”エールを受けていた。

 同じ左打者で、T―岡田が心酔する大リーグ・レンジャーズのプリンス・フィルダーが椎間板を痛めて首の手術を受けると発表された。その一報を、実は金子から聞いた。「お前の従兄弟、今季絶望だってな」。ジョークで奮起を促されると、直後の24日広島戦、25日のDeNA戦で2試合連発。「イトコって…。どういうこと何ですかね」と笑ったが、今回も2戦連発とエンジンが掛かってきた。

 森脇監督は「金子の意気込みがチーム全体に伝わった。T―岡田も、忘れることができないインパクトあるホームランになった」と絶賛。エースと主軸の働きで、逆転勝ちしたことを喜んだ。ソフトバンクが快勝していたため、敗れれば5月16日以来の首位陥落だったが、何とか死守。関西ダービーで意地を見せた。

 ≪逆転打は2年ぶり≫T―岡田(オ)が8回に逆転3ラン。今季9本目の殊勲安打(先制、同点、勝ち越し、逆転)だが、逆転打は12年8月5日ロッテ戦の3ラン以来2年ぶり。阪神戦の本塁打は11年6月5日(甲子園)に久保から打って以来3年ぶりだ。

 ≪1点差交流戦初勝利≫オリックスの1点差勝利は5月17日ソフトバンク戦(2―1)以来。交流戦で喫した6敗はいずれも1点差敗戦だっただけに、久々に接戦をものにした。

続きを表示

2014年6月7日のニュース