大谷 フォーク解禁3勝 配球一変でオリックス打線面食らった

[ 2013年8月24日 06:00 ]

<オ・日>無傷3勝!大引(右)と指を合わせる大谷

パ・リーグ 日本ハム5-2オリックス

(8月23日 京セラD)
 日本ハム・大谷は、まだ引き出しを隠し持っていた。7試合目の先発で新球フォークボールを解禁。初回の1失点だけで自己最長の6回2/3を投げ抜いて、自己最多の9三振を奪った。7月4日以来の3勝目を手にした19歳はそれでも「7回をしっかり投げ切れればよかった」と反省を口にした。

 これまで直球、スライダー、カーブの組み立てだった配球ががらりと変わった。130キロ台半ばで縦に鋭く落ちる球にオリックス打線が面食らった。「フォークを意識してくれたらと思って。外国人バッターも多いし、振ってきてくれるかなと試合の中で試しました」。6回は初回に適時打を浴びた李大浩(イ・デホ)をフォークの連投で3球三振に斬って取るなど、9三振中3つを新球で奪った。

 花巻東でもほとんど使わなかった球。プロではブルペンでも投げていなかったが、落ちる球の必要性を痛感。抜いて落とすチェンジアップではなく腕を振り切るフォークを選択した。高校時代より浅く握ることで制球を重視した新球を、7月下旬からわずか2週間足らずでものにした。「僕もきょう知りました。一つの武器として使えますね」とリードした大野も絶賛すれば「いいきっかけになりました」と大谷も手応えを話した。当初は次回先発まで中10日前後を空ける予定だったが、この試合の好投で栗山監督は「間隔を詰める可能性はある」と中6日のローテーション投手として回していく可能性も示唆した。

 「中田さん(骨折で離脱)がいないのは凄く大きい。しっかり投げないと、と思った」と大谷。19歳がチームに4連勝以上の勢いを与えた。

 ▼日本ハム・黒木投手コーチ(大谷のフォークについて)もともと投げてはいたようですが、解禁というか。かなりの前進ですね。ナイスピッチングでした。

 ≪球団では尾崎以来51年ぶり≫新人の大谷(日)が自己最長の6回2/3を1失点に抑え無傷の3勝目。高卒新人の開幕3連勝は昨季武田(ソ=4連勝)と釜田(楽)がマークしているが、日本ハムでは東映時代の62年に尾崎行雄が6連勝して以来51年ぶり2人目になる。また奪三振は自己最多の9で、球団の高卒新人では66年9月21日阪急戦で森安が9三振を奪って以来。ちなみに05年ダルビッシュの1試合最多奪三振は6、今季の藤浪(神)も5度の7が最多と大谷が上回った。

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