虎 5差や!不可解判定に燃えた 退場の和田監督涙目でナインに感謝

[ 2013年8月24日 06:00 ]

<中・神>3回、マートンの打球はジャンプする右翼・平田の頭上を襲った。フェンスには打球の当たったあとが見えるが…判定はアウト

セ・リーグ 阪神7-2中日

(8月23日 ナゴヤD)
 試合後の緊急ミーティング。目を真っ赤にした阪神・和田監督が「よくひっくり返してくれた。勝ってくれて、ありがとう」とナインに頭を下げた。

 序盤からナゴヤドームは一触即発の空気に包まれ続けた。0―0の3回2死一、二塁。マートンの打球は右翼フェンスに当たってからジャンプした右翼手・平田のグラブに収まったように見えたが、名幸一塁塁審の判定は直接捕球でアウト。和田監督が怒りの形相でベンチを飛び出して猛抗議。抗議が5分以上に及んだことで、遅延行為と見なされ監督就任後初の退場処分に。「先制」の2点とともに、指揮官が消えた。しかし、和田監督の退場後も黒田ヘッドコーチらが引き下がらず、再びの抗議。覆らない判定に、納得のいかないナインはベンチ裏に引き揚げようとし、峯本達雄球団本部チーム運営が押しとどめる一幕も。試合中断は16分間に及んだ。

 これだけでは終わらない。4回には、「疑惑」の捕球をした平田の本塁打ボールが客席から左翼手のマートンに向け、投げ返されて直撃。マートンがベンチに引き揚げようとした。

 たまっていたフラストレーションを吹き飛ばしたのは0―2の6回。2安打で得た1死二、三塁から福留が右翼フェンス最上部に当たる大飛球。この一撃もビデオ判定となったが、判定は適時二塁打。それでも、大野に抑え込まれていたチームは、せきを切ったように打った。新井良は内角の直球に詰まりながらも前進守備の左翼手を越える2点二塁打。「みんな熱い気持ちでやっていた。前に飛ばせば何かあると思って、とにかくバットに当てようと意識していた」。打者11人でこの回一挙5点を奪った。

 試合後。阪神・四藤慶一郎球団専務は「現場の選手、コーチ、監督が納得できるジャッジではなかった。抗議は連盟にする」と説明。一方で、審判団は3回のプレーのVTRを確認。責任審判の栄村二塁塁審は「真実と事実(は違う)という言葉もあるので」と、誤審を認めるかのような発言をした。

 ただ、選手は冷静さを取り戻していた。マートンは「誰でも間違いが起こることはある。ファンもイライラしていたんじゃないかな。もう僕からは何も言うことはないよ」。燃えに燃えたチームは一丸となって、首位・巨人との差を5ゲームに縮める価値ある勝利をもぎ取った。

 ▼中日・高木監督(3回の判定に)分かりません。みなさんの方がよう知っとるんやないの。テレビ見とりゃ。

 ▼中日・平田(マートンの打球に)いっぱいいっぱいのプレーやったから分からなかった。でも審判がアウトとジャッジしていたんで。

 ▼阪神・黒田ヘッドコーチ(和田監督の退場後、ベンチで選手を集めたことに)納得しないとゲームができない。気持ちをあらためないといけなかった。

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