“天敵”小川にまた…5戦5敗 野村監督「何とかしないと」

[ 2013年8月4日 06:00 ]

<ヤ・広>5回1死満塁、菊池は空振り三振に倒れる

セ・リーグ 広島2-8ヤクルト

(8月3日 神宮)
 神宮の左側半分を埋めた赤ヘル党から、怒気を帯びた悲痛な叫びが発せられた。「いったい何回やられるんだ。小川を打ってくれよ!」。ファンなら誰もが抱く思い。5度目の対戦となったこの日もまたヒネられ5敗、12個目の白星を献上したとあってはやり切れない。

 「イニングごとにパターンを変えてくる。ストレートで押したり、変化球で攻めたり。まったく打てていないわけじゃないんだけどね…」

 野村監督の歯切れは悪い。確かに、攻略への糸口は何度かあった。2死一、二塁で松山の右前打が飛び出した初回は、当たりが強すぎて二走・丸があえなく本塁憤死。2回も先頭・ルイスが左越え二塁打でチャンスをつくった。最大のそれは4点を追う5回だった。

 安打と2四球で1死満塁。ここで菊池はカウント2―2からボール球になる外角高め直球を空振りしてしまう。続く丸も2―2からのインハイ直球に空振り三振。小川はギアを上げたか…という質問に「だから2桁勝てるんですよ」と、イライラ感を隠さなかった。

 「菊池のところで1点を取っていれば、流れは変わった。頑張らないといけない場面だった」

 新井打撃コーチはため息をつく。大量8点を追う8回1死から、その菊池が右中間三塁打で出塁し、丸の二ゴロで生還。さらに左中間二塁打のキラ(代走・木村)を、松山が中前タイムリーで還したのが、せめてもの意地だった。しかし、いかんせん遅きに失した。

 開幕直後の4月3日にプロ初勝利を献上し、6月22日にはプロ初完封まで許した。小川にはこれで5戦全敗。まさに天敵中の天敵だが、このままやられ放題では同じプロとして立場がない。神宮の赤ヘル党の怒声も、ルーキーをなぜ打てない…の1点に尽きる。

 「今度当たる時は打てるように頑張りたい」。指揮官は必死に声を絞り出す。「次はやり返さないといけない。相手はルーキーだし、何とかしないと」とは、2安打1打点の松山だ。右腕の笑顔はもう見たくない。

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2013年8月4日のニュース