DeNA 中畑監督来季続投へ 春田オーナー「当然あると思う」

[ 2013年8月1日 06:00 ]

<広・D>6回2死、左越えソロを放った山崎を迎える中畑監督(右から2人目)

 DeNAの春田真オーナー(44)は31日、都内で取材に応じ今季で2年契約が切れる中畑清監督(59)を来季も続投させたい意向を明らかにした。08年から5年連続最下位と低迷が続いていたが今季は91試合を終え41勝50敗でクライマックス・シリーズ(CS)圏内の3位をキープ。球団は中畑監督の手腕を高く評価しており、早ければ今月中にも続投が正式に決定する見込みだ。

 午後11時20分過ぎ。都内の自宅前で対応した春田オーナーの柔和な表情が中畑監督への揺るがない信頼を物語っていた。「今まさにシーズンを戦っているから来季の体制うんぬんの話はしたことないです」と前置きした上で「監督は昨年から頑張ってくれているし、このまま頑張っていただければ(続投も)当然あると思う」ときっぱり言った。

 就任1年目の昨季は46勝85敗13分けで、5位・阪神に9・5ゲーム離されての最下位に沈んだ。今季も開幕から苦しんだ。投手陣は国吉、加賀美と期待の若手右腕がキャンプから結果を出せずにここまで勝ち星なし。中日から加入したソトも0勝2敗、防御率13・76で5月以降は2軍暮らしと期待を裏切った。しかし、実績がない小林寛、須田らを先発に抜てき。新人の三嶋とともに後半戦は先発ローテーションに定着し結果を残している。

 「今年は勝ちに徹する。つらいけど、そのためには情を捨てて選手を使う」との言葉通り、ラミレスから左翼の定位置を剥奪し、2軍に降格させるなど、非情采配に徹した。ここまで31本塁打の主砲ブランコ、規定打席に足りないものの打率3割をマークしている新外国人のモーガンを軸に、打線はリーグトップの393得点をマーク。7月14日時点では今季最大の借金15で最下位だったが、投打がかみ合い始め、借金は9。現在3位と球団初のCS進出が狙える位置につけている。

 シーズンは50試合以上残しており、春田オーナーは「野球界の慣例で2年契約しているけど。まだその(来季の契約の)話をするタイミングではないでしょう。秋くらいにしかるべきタイミングで話します」と慎重に語った。ただ、今季は観客動員数で12球団トップとなる10・4%増の1試合平均1万8173人を記録。DeNAの球団保有の目的の1つである会社の認知向上に、中畑監督が大きく貢献していると営業面での評価も高い。

 球団関係者は「CS進出できなくても、よほど失速しない限り来年も続けてもらいたいという意見で球団内ではまとまっている」と語る。中畑監督は昨年10月8日の本拠地最終戦・広島戦(横浜)で「来季はファンの皆さんと一緒にクライマックスで戦いましょう!それができなければ私はクビです!」とファンの前で進退を賭けて戦うことを誓った。セ・リーグに旋風を起こす今季の戦いぶりに高田繁GMの評価も高く、今月中にも続投が正式に決まる見通しだ。

 ◆中畑 清(なかはた・きよし)1954年(昭29)1月6日、福島県生まれの59歳。安積商(現帝京安積)から駒大に進み、75年ドラフト3位で巨人入団。通算成績は1248試合で打率.290、171本塁打、621打点。オールスター出場6度、ゴールデングラブ賞7度。85年に労組・日本プロ野球選手会の初代会長に就任した。89年現役引退。93、94年は巨人で打撃コーチ。04年アテネ五輪ではヘッド兼打撃コーチを務め病に倒れた長嶋監督の代行として指揮し、銅メダルを獲得。

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