和田監督“熱くなれ”は抗議の5分間のみ「済んだことだから」

[ 2013年8月1日 06:00 ]

<神・中>7回無死、打者・坂のときストライクの判定をめぐって和田監督(左)は佐藤球審に猛抗議

セ・リーグ 阪神0-1中日

(8月1日 甲子園)
 もっと熱くなれ!! 阪神は中日先発の西川健太郎投手(20)に7回1安打無得点に封じられ、高卒2年目右腕に初勝利を献上。今季15度目の零敗を喫した。巨人が勝利したため、ゲーム差も今季最大の6・5まで拡大。苦境の今こそ、和田豊監督(50)が掲げるスローガン「Go for the Top熱くなれ!!」の精神で戦う時だ。

 今季15度目の完封負けに、虎党の落胆は大きかった。声援がすべて空回りした0―1敗戦。静かに、淡々と言葉を紡いだ和田監督の敗戦の弁が印象的だった。心の内までは計り知れない。ただ少なくとも表面上は、自らが掲げるスローガン『熱くなれ!!』とは対照的だった。

 「捕手が谷繁ではなかった分、(これまでと)配球が変わっていたね。勝負球に使わなかったフォークもね、けっこう落ちが良かった。低めに手を出しすぎたね」

 的確な敗因分析が、むしろ冷静に映る。確かに打つ手のない9イニングだった。初めて走者を出したのが7回2死からの鳥谷の四球。続くマートンが中前打して不名誉な記録は阻止した。高卒2年目の西川には7月10日の前回対戦(那覇)で6回9安打5得点でKOしていた。この事実もまた、この日の敗戦をより不可解にクローズアップする。

 それでも7回にヒートアップする一幕はあった。先頭・坂の打席。カウント1ボール2ストライクから、松井雅が地面スレスレで捕球したカットボールをストライク判定され、ベンチを飛び出した。約5分間にわたり、佐藤球審に怒りの抗議を浴びせた。

 それでも試合後は「済んだことだから。審判がストライクと言えばストライク。どうすることも出来ないからね」と妙に納得した様子で、熱さは無かった。しかし、ファンが求めているものは、首をかしげながらベンチへ引き揚げる際の拍手が示している。現にチーム初出塁&初安打も、抗議の直後に出ている。

 相手・中日は首位争いから脱落しており、30日の敗戦後には高木監督が「(31日のスタメンは)ファームと間違えるよ」と話すなど大島、谷繁をスタメンから外している。簡単に蹴散らさなければならず、足踏みしている場合ではない。

 後半戦は下位チームを相手に2勝5敗。5連勝の巨人とはついに今季最大の6・5差に開いた。最短3日に優勝マジックが点灯する可能性もあるという。今が、まさに踏ん張りどころ。今が、まさに熱くならないといけない時のはずだ。

 1日の中日戦のあとは、2日から東京ドームで直接対決3連戦がある。西岡が登録抹消となるなどチーム状態は決して万全とは言えないが、チャンスがある限り最後の最後まで熱い戦いを見せるしかない。

 ▼佐藤純一球審 (7回、坂の打席での和田監督の抗議について)見ての通りです。“低いだろう”ということでした。大事なところだったので。

 ≪最短3日に自力Vの可能性消滅≫阪神は今季15度目の零敗。首位の巨人が勝ったため、両チームのゲーム差は今季最大の6・5に。この結果、阪神は最短で3日に自力優勝の可能性が消滅。巨人に優勝へのマジックが初点灯する。条件は1日に阪神が中日に負けて、巨人がヤクルトに勝ちか引き分けた上で、2日からの直接対決で巨人が2連勝すればM43が点灯する。

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2013年8月1日のニュース