古谷 “珍”直近3勝全部勝利投手 5連敗中ロッテ救った

[ 2013年8月1日 06:00 ]

<ロ・日>7回2死、小谷野の打球を声を出し捕球する古谷

パ・リーグ ロッテ6-1日本ハム

(8月1日 QVC)
 最後まで落ち着いていた。8回1死一、二塁。ロッテ・古谷は最大のピンチを迎えても、陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)に緩い変化球を思い切って投げ込んだ。内角への96キロのカーブ。三ゴロ併殺に打ち取り、8回を3安打無失点で堂々の今季4勝目を挙げ、5連敗中のチームを救った。

 「里崎さんが打ち取れると思って出しているサイン。信じて投げた」

 今季初対戦となった日本ハム打線には、内角攻めと緩急で立ち向かっていった。「自分も読めない里崎さんのサインがあった。そういう時は、打者ももっと読めないはず」。5回、先頭の赤田には4球続けてカーブを投げ込み、最後は内角スライダーで空振り三振。左第3肋骨の骨折から復帰したばかりのベテラン捕手を信じて、首を振ることはなかった。

 今季初先発となった6月26日のオリックス戦(京セラドーム)で9回2死まで無安打の快投を披露。最後は三塁打を浴びて快挙達成こそ逃したが、1安打完封勝利を飾った。後半戦に入ってチームは2勝5敗。その2勝に加え、前半戦最終戦と合わせて直近3勝は全て古谷が挙げたものだ。

 8年目にして中継ぎから念願の先発転向。10年の3勝を上回り、早くも自己最多の勝ち星とした。「とにかく勝つしかない。結果がすべて」。母校・駒大岩見沢(北海道)は来春に閉校する。同校出身の現役プロ野球選手は古谷だけ。「もう自分しかいないので活躍することで駒大岩見沢の名前をつないでいきたい」。

 チームは7月は6勝13敗1分けと失速。順位も首位から3位まで転落した。伊東監督は「月が替わる。(チームが)生まれ変わってくれたら」と期待し、古谷も「これからもどんどん勝って、優勝を目指して頑張る」と8月反攻を誓った。

 ≪小宮山以来21年ぶり≫ロッテは古谷が8回無失点で、チームの連敗を5で止めた。古谷は前回勝利の後半戦初戦、さらに球宴を挟んだ前半戦最終戦でも勝利投手に。ロッテでチームの3勝を続けて同じ先発投手が勝利したのは11年10月の唐川以来だが、この時は2分けを挟んだもの。引き分けのないケースでは、92年9月に小宮山が5連敗と4連敗を挟み3勝して以来21年ぶりになる。

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2013年8月1日のニュース