吉川4勝 7回1死まで無安打快投、快挙逃すも「こんなもん」

[ 2013年5月23日 06:00 ]

<日・ヤ>日本ハム先発・吉川は8回2安打無失点で4勝目

交流戦 日本ハム6―1ヤクルト

(5月22日 札幌D)
 日本ハムの吉川光夫投手(25)は22日のヤクルト戦で8回2安打無失点の好投。4月24日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来の白星となる4勝目を挙げた。7回1死まではノーヒットと昨季の絶好調時と思わせる投球ぶりに、MVP左腕復活のムードまで高まってきた。

 これぞ吉川だ。打者に立ち向かう、力強さが戻った。快挙こそ逃したが、貫禄の8回無失点投球に少しだけ気分も高揚した。

 「今年一番腕を振って投げられました。ノーヒットノーランは皆さん期待していたと思うんですけど、やはりダメでしたね。こんなもんです」

 直球とスライダーの威力に打者は差し込まれ凡退を繰り返した。6回まで1四球を与えたのみで、1安打も許さない快投。7回1死から同じ88年生まれの上田に許した中前打が初の快音となったが「(無安打無失点試合が)できるかできないか半々だと思っていたので、集中力は切れませんでした」。続くミレッジ、バレンティンの助っ人コンビをともにスライダーで空振り三振に仕留めた。「小さい頃には何回かありますけど…。いつかはやりたいという気持ちはあります」と大記録は持ち越しとなった。

 周囲の配慮にも応えた。札幌ドームのマウンド後方には北海道の地図のマークが描かれている。これまでは左腕が投球前にしこを踏み、マウンドへ向かう時は地図をよけながら上がっていたという。その思いを受け、ドーム側は20日の練習前に地図マークを若干一塁側へ移動。マウンドへスムーズに上がることができるようになった。約1カ月白星から見放され「何となくです」と気分転換に登場曲も変更。新たな気分で挑んだ一戦で、昨季までのような圧巻の姿を見せた。

 「負けてチームの雰囲気が変わると投げにくくなるだろうし、いい雰囲気で渡せましたね」。大谷の投手デビュー戦へ、頼もしい先輩がこれ以上ない形でバトンをつないだ。

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