久保また失敗、まさかの同点被弾「投げミス。本当に申し訳ない」

[ 2013年5月23日 06:00 ]

<ロ・神>9回1死三塁、井口(左)に左越え2ランを打たれた久保

交流戦 阪神6―6ロッテ

(5月22日 QVC)
 阪神はロッテ戦(QVCマリン)で今季最長5時間12分の激闘も実らず、延長12回引き分けに終わった。2点リードの9回に、守護神・久保が同点2ランを被弾。首位巨人が敗れ、再接近するチャンスだっただけに、悔やみきれない一戦となった。

 鋭い打球の行方をぼう然と見つめるしかなかった。2点リードで迎えた9回。満を持して投入された守護神・久保が、古巣ロッテにつかまった。先頭・根元の中越え二塁打から1死三塁のピンチ。すると井口には3ボール1ストライクからの5球目を、左翼席へと運ばれた。まさかの同点2ラン。試合を一瞬にして振り出しに戻してしまった。

 「投げミスです。調子自体は悪くないけど、結果がすべて。次に取り返すしかない。榎田の時は2回目ですし、本当に申し訳ない」

 試合後は責任を背負い込んだ。これが今季5度目の救援失敗。8日の巨人戦に続いて、先発榎田の勝ち星を消してしまった。ただ、久保の言葉にもあるように、決して状態が悪いわけではない。ここ3試合はいずれも1回を3者凡退。それだけに、和田監督の歯切れも悪かった。

 「現状では精いっぱいの継投。追いつかれた後に、よく頑張った」

 新勝利の方程式は完成間近だった。15日に福原が戦線を離脱。僅差での加藤、安藤、久保によるリレーは今季初のケースだった。ともに走者を許しながらも、7、8回を加藤、安藤が零封。ロッテの驚異的な粘りを何とかしのいでいただけに、是が非でも欲しい1勝に違いなかった。

 4月戦線を無難に乗り切れたのは、紛れもなく久保を中心としたリリーフ陣の充実に他ならなかった。低調だった打線をカバー。貯金7の2位につけているのも、そのためだ。その一方で着実に忍び寄る蓄積疲労の影。先発で実績を残した久保にとっても抑えは初めてのポジションで、手探りであることは否めない。

 首位・巨人が敗れたためゲーム差は「2」に縮まったが、阪神にとっては負けに等しい引き分けか。セットアッパー候補として、大筋で合意に達している前ロイヤルズ傘下3Aのブレイン・ボイヤーの存在も、裏を返せばチームの弱点とも言える。5時間を超えた幕張の夜。ナインの足取りは重く、どこか悲しげだった。

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2013年5月23日のニュース