さすがの稲葉 決勝満塁弾!23日初先発デビューの大谷にエール

[ 2013年5月23日 06:00 ]

<日・ヤ>6回無死、満塁弾を放った稲葉は、笑顔でナインとハイタッチ

交流戦 日本ハム6―1ヤクルト

(5月22日 札幌D)
 前夜祭だ!日本ハムは22日、稲葉篤紀内野手(40)が今季2号となる決勝の満塁本塁打を放つなど5打点をマーク。開幕から不振にあえいでいたベテランの活躍でヤクルトに快勝し、今季2度目の3連勝を飾った。23日の同カードには、注目の二刀流ルーキー・大谷翔平投手(18)が先発し、投手として1軍デビューを果たす。チーム、ファンともに最高のムードで、大谷の歴史的登板をバックアップする。

 ただの1勝ではない。それ以上の価値がある白星となったことに意味があった。決勝の満塁弾を放った稲葉は、もちろんそれを分かっていた。

 「負けて翔平、じゃなくて、いい感じで来ている中で翔平を投げさせることができる。彼にとってもいいことだし、お客さんが来れば野手陣も張り切るしね」。きょう23日にプロ初登板を迎える大谷に最高の舞台を用意できた。その喜びを口にするとともに、18歳への援護を約束した。

 稲葉にとっても大きな一打だった。両軍無得点。チーム初安打が生まれた6回無死満塁で、代わったばかりのロマンの2球目。134キロスライダーをバットにうまく乗せた。値千金の今季2号は右中間席に飛び込む自身5本目のグランドスラム。「まだパワーありましたね。久しぶりに力感なく振れて、打球が飛んでいった。力んでも打球は飛ばなかったのに、野球って面白いものですね」と声を弾ませた。

 7回は1死一、三塁から右中間を破る適時二塁打で計5打点。昨季は2000安打を達成するなど、開幕から絶好調だったベテランが今季はここまで3打点と大不振だったが、「大事な一戦」を前に息を吹き返した。

 8月で41歳となる。開幕から結果が残せず打率が1割にも届かなかった4月24日、栗山監督に直訴して2軍に降格した。ヤクルトから日本ハム移籍9年目で、不調による2軍落ちは初。「ファイターズに来てからこんなに悩んだのは初めてだった」。朝から若手に交じって練習メニューをこなし、全体練習後も室内練習場でマシンを相手に打ち込んだ。その姿に刺激を受けたのが、右足首捻挫で2軍で調整していた大谷だった。稲葉は落ち込んだ姿は見せず、常に明るく振る舞った。「打てなくても普通にやること、そういうのを(若手に)見せたかった」。自らが教科書となった。

 チームは依然最下位だが、4月24~28日に4連勝して以来、今季2度目の3連勝で大谷の1軍初登板を迎える。栗山監督も「感動しました。ああいうところで決められるのが稲葉」と称賛したうえで、大谷について「最初の登板は思い切りやらせてあげたかった。そういった意味ではファイターズらしくなったところで行かせてやれる」と期待した。最高のムードの中で迎える注目の二刀流デビュー戦。準備は整った。

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