ダル V逸ならイチローと一発勝負も 6日「ワイルドカードゲーム」

[ 2012年10月4日 06:00 ]

ボールを持ったままストレッチするレンジャーズのダルビッシュ

ア・リーグ レンジャーズ1―3アスレチックス

(10月2日 オークランド)
 レンジャーズ・ダルビッシュは静まりかえったクラブハウスで黙々と食事を済ませ、足早に球場を後にした。言葉はなかった。勝てば地区3連覇が決まる2位アスレチックスとの3連戦に連敗。ダルビッシュにとって、初体験のシャンパンファイトが持ち越されたどころか、161試合目でア軍に並ばれた。最大13ゲーム差をつけてきた相手に最終戦で敗れれば地区3連覇を逃す。

 「2連敗しただけだ。下を向かず、顔を上げよう」。意気消沈するナインにロン・ワシントン監督はゲキを飛ばした。3回に主砲ハミルトンの二塁打で先制しながら、その後は3併殺の拙攻。チームトップの18勝左腕ハリソンが逆転を許した。開幕4戦目の4月9日から単独首位を守ってきたが、ついに並ばれた。それでもワシントン監督は「まだ何も失っていない。振り返る必要もないし、あしたのチャンスを生かすだけだ」と言った。

 指揮官は「ダルビッシュをブルペン待機させることはない」と明言しており、右腕はナインの勝利を信じてベンチで見守ることしかできない。さらにプレーオフに向け、難しい調整が迫られる。地区優勝を逃せば、5日(同6日)のワイルドカードゲームに先発。ヤンキースと対戦する可能性もあり、今季3試合で11打数6安打、打率・545と打ち込まれている天敵のイチローと相まみえることになる。地区優勝を決めても地区シリーズの日程は勝率によって変わる。勝率2位なら6日(同7日)にタイガース戦、勝率1位なら7日(同8日)に初戦を迎える。登板日が設定できずに調整を進めるしかない。

 3日の先発はデンプスターが務めるが、早めの継投による総力戦が予想される。13試合連続無失点中の上原も重要な場面で起用されることになる。「自分たちは何度も厳しい戦いをくぐり抜けてきている」。そうハミルトンは言った。大逆転優勝を信じるア軍ファンに囲まれた完全アウェーの中で、2年連続リーグ王者の底力が試される。

 ◎近年最終戦での天国と地獄

 ☆松井稼も歓喜(07年ロッキーズ)9月30日のダイヤモンドバックス戦に勝ち、翌10月1日、パドレスとのワイルドカード決定戦へ。延長13回、松井稼(現楽天)の二塁打を足掛かりに逆転サヨナラ勝ちした。

 ☆史上初(09年ツインズ)10月4日、残り4試合から4連勝。タイガースと同率首位となり、同6日優勝決定戦で延長12回サヨナラ勝ちした。「4試合で3ゲーム差」からの逆転は史上初。

 ☆両リーグで(10年レイズ、ジャイアンツ)レ軍は10月3日ロイヤルズ戦で勝ち地区優勝。同率だったヤンキースがレッドソックスに敗れてワイルドカードに。同日にジ軍は1ゲーム差で2位のパドレスとの直接対決を制し地区優勝。ジ軍はこの年世界一に。

 ☆0―7から逆転(11年レイズ)9月28日ヤンキース戦で0―7の8回に一挙8点を奪うなどして延長戦となり、延長12回サヨナラ勝ち。レッドソックスとのワイルドカード争いを制した。

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2012年10月4日のニュース