19歳武田 新人王当確!連続完封あと1人、単独トップ8勝

[ 2012年10月4日 06:00 ]

<日・ソ>新人トップの8勝目を挙げたソフトバンク・武田

パ・リーグ ソフトバンク10-1日本ハム

(10月3日 札幌D)
 ソフトバンク・武田翔太投手(19)が新人王のタイトルをほぼ手中にした。同投手は3日、前日にリーグ優勝を決めた日本ハムを相手に先発し、8回までわずか3安打。9回2死から失策絡みで失点し、2試合連続完封こそ逃したが、パ・リーグの新人単独トップ堂々の8勝目。クライマックスシリーズ(CS)での先発にも、大きくアピールした。
【試合結果】

 快挙は目前で逃した。9回2死一塁で中田を平凡な遊ゴロに仕留めた武田だったが、今宮がまさかの失策。続く陽岱鋼に右前に運ばれ、自責0ながら2試合連続完封を逃した。それでも、トレードマークの笑顔は健在だった。

 「(完封は)少し意識したけど、チームが勝てればいい。バックを信じて、楽しく野球をやることが僕のモットー。それはできたし、しっかり試合もつくれた」

 またも新人離れした投球を披露した。危なかったのは、自身で「どうなることかと思った」という初回だけ。先頭打者に四球を与え、失策などで1死一、三塁となった。だが、中田、陽岱鋼を仕留めて無失点。2~8回は3安打に封じ、2併殺打で二塁を踏ませなかった。

 初回、そして9回と味方に失策が出た。それでも、マウンドで笑っていた。「攻めるべき相手は打者。味方(野手)は責める相手ではない」。宮崎・住吉中2年秋にメンタルトレーニングの本を読み、味方の失策をとがめるのではなく、笑うことで野手に安心感を与えることを学んだ。だから、どんな状況でも心を乱さず、安定した投球を続けることができるのだ。

 7月7日の1軍初登板から、3カ月足らずで8勝を積み重ねた。新人王を争う楽天の釜田、2年目ながら新人王資格を持つ美馬の7勝を抜き去った。11試合に登板して防御率は1・07。武田は新人王のタイトルについて「獲りたいですね」ときっぱりと言い切った。

 武田の快投で、チームはCS進出へ大きく前進した。もはや摂津(17勝)、大隣(12勝)に続く先発3番手の評価を得つつある。高山投手コーチも「たまたま抑えた結果ではない。(CSでの先発は)十分にある」とうなずいた。ポストシーズンでも、19歳の新人の笑顔が何度となく見られそうだ。

 ◆武田 翔太(たけだ・しょうた)1993年(平5)4月3日、大分県別府市生まれの19歳。宮崎・住吉中では県大会優勝。宮崎日大では1年秋からエースで、3年夏は宮崎大会準々決勝で敗退し甲子園出場はなし。11年ドラフト1位でソフトバンク入団。1メートル87、84キロ。右投げ右打ち。

 ≪2位タイ≫武田(ソ)がパ新人単独最多の8勝目。チームの高卒新人で8勝は54年の宅和本司の26勝に次ぎ、同年戸川一郎の8勝と並ぶ2位タイとなった。武田は前回登板の9月25日オリックス戦で初の完封勝利。この日は9回2死から失点したが、2試合連続完封勝利を達成していれば高卒新人では66年の森安敏明(東映)と堀内恒夫(巨=3試合連続)以来46年ぶり、チーム初の快挙となっただけに惜しかった。

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