大阪桐蔭・藤浪 12球締め 無敗3冠達成「終わったんだ」

[ 2012年10月4日 06:00 ]

<大阪桐蔭・桐光学園>先発を外れ、ブルペンから桐光学園・松井(下)のピッチングを見つめる大阪桐蔭・藤浪

ぎふ清流国体準決勝 大阪桐蔭13―0桐光学園

(10月3日 長良川)
 大阪桐蔭が史上3校目の「3冠」を達成した。公開競技の高校野球硬式の部の準決勝2試合が3日行われ、今夏の甲子園で史上7校目の春夏連覇を果たした大阪桐蔭が、桐光学園(神奈川)に13―0で快勝。日程変更により決勝戦が行われず、準決勝を勝った2チームが両校優勝となるため、初優勝が決定した。25日のドラフトの目玉、藤浪晋太郎投手(3年)は9回から登板し、1回無失点で有終の美を飾った。、また仙台育英(宮城)は11―1で県岐阜商を破り、初優勝を決めた。

 最後の打者を中飛に仕留め、79年の箕島と松坂(レッドソックス)を擁した98年の横浜以来、史上3校目の「3冠」達成。それでも藤浪は、涼しい顔で試合後の整列に加わった。

 「勝った瞬間は桐蔭の野球が終わったんだ、このユニホームを着て戦うことはもうないんだな、と思いました」と淡々と話した。

 9回から3番手で登板。投球練習の初球で146キロを投じただけで、場内がどよめいた。この日の最速は149キロで1安打を許したが、わずか12球で観衆を魅了。桐光学園の2年生左腕、松井との格の違いを見せつけた。最速153キロの藤浪が投じた高校最後の球は113キロのカーブ。「西谷監督から“最後まで自分の投球をしなさい”と言われたので」と甲子園同様、直球だけに頼らない投球を貫いた。

 センバツから公式戦負けなしで有終の美を飾った。「負けなしで終わることができて良かった。単独優勝ではないですが、偉大な記録に並ぶことができたのはうれしいです」。理想の投手はダルビッシュ(レンジャーズ)と前田健(広島)。2人に負けないエースとなる日を夢見て、今度は運命のドラフトを待つ。

 ≪79年箕島など4校V扱いに≫日本高野連はこの日、台風の影響で準決勝以降が行われなかった79年の国体で、4強に勝ち残った箕島など4校を優勝扱いにするとの見解を示した。箕島は同年、甲子園で春夏連覇を達成している。98年の国体を横浜が制した際には、春夏連覇と国体の3冠は「横浜が史上初」との説明だった。「現在の見解としては箕島も3冠に含める」とし、大阪桐蔭について「史上3校目になる」とした。

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