わずか5度だけで 馬原 「一番いい時に戻った感じはあります」

[ 2011年2月14日 13:10 ]

ブルペンで投げ込むソフトバンク・馬原

 ソフトバンクの馬原孝浩投手(29)は、たった5度の角度の修正に2年間を費やした。通算161セーブを誇る鷹の守護神。08年の右肩炎症で投球フォームを崩し、ボールの回転軸が傾いたことで本来の直球を失った。そこから地道な股関節周りのトレーニングなどで肘の位置を上げ、このキャンプで最大40度傾いていた回転軸を35度に戻した。わずか5度の差のプロのこだわりがある。

 捕手のミットをはじく音、空気を切り裂く音。馬原はこの日もブルペンで70球の投球練習を行ったが、全てが昨年までと違った。たった5度の傾きの差で、守護神は本来の直球を取り戻した。

 「ボールの回転軸が良くなりました。40度ほど傾いていたのが5度、戻った。昨年のようにシュートするのがない」

 指先から放たれたボールの回転軸。昨年1月の自主トレで秒間に1000コマ撮影できるハイスピードカメラで測定した際に、投手から打者方向に見て右に40度も傾いていた。その影響で直球はシュート回転し、威力は半減。その回転軸の角度が、今キャンプまでに35度に修正された。

 ボールの傾きが地面と平行に近づけば、よりきれいな縦回転となり、打者が手元でホップするように感じる。阪神・藤川の直球の回転軸はわずか5度しかないという。馬原も軸を戻すことで生命線の直球が復活。今後、さらに水平に近い角度に戻すよう取り組む。

 08年は右肩炎症で0勝2敗11セーブ。股関節の筋力の弱さが、右肩に負担をかけたのが原因だった。患部をかばうことで肘も下がる。結果的に回転軸が傾いた。

 「手先で角度を戻すのは簡単だけど、根本的には良くならない」。馬原はじっくり時間をかけ、股関節周りのインナーマッスルを鍛えた。効果は球の回転数にも表れ、1年前は1秒間34回転だったのが現在は38回転。より切れも増した。

 「直球は一番、いい時に戻った感じはあります」。07年には38セーブで初のタイトルを獲得した。わずか5度。まさにプロとしてのこだわりだ。 

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