斎藤と同い年 5年目左腕「きょうはあっちですよね 僕はこっそりと」

[ 2011年2月14日 12:05 ]

3回を無失点に抑えた吉川

 斎藤には負けていられない――。日本ハム・吉川光夫投手(22)が13日、韓国サムスンとの練習試合で先発。3回を1安打無失点に抑えて、先発ローテーション争いへ名乗りを上げた。2番手の黄金ルーキー斎藤佑樹投手(22=早大)とは同い年の5年目左腕。課題の直球を磨き、開幕まで必死にアピールを続けていく。

 先発としての仕事は果たした。韓国の強豪相手に直球を軸にした投球を展開。初回は先頭打者から見逃し三振を奪い3者凡退など、3回を1安打無失点の内容に吉川は「低めを突けるようになってきた。抜けるボールがなくなったのは収穫」と自らに及第点を与えた。

 だが、反省も忘れない。味方が先制した直後の2回だ。先頭打者に四球を与えて「得点してもらった後の四球は良くなかった。その後併殺に打ち取ったけど、送りバントされたら大量失点につながっていたかもしれない」と表情を厳しくした。

 先発ローテーション入りするためには猛アピールを続けるしかない。ダルビッシュ、武田勝、ケッペルが当確。残る3枠を斎藤、八木、糸数、土屋らでしのぎを削っている。12日の広島との練習試合(沖縄)では同じ左腕の3年目、土屋が先発して3回2失点した中、まずは第1段階をクリアした吉川に芝草投手コーチも「直球に強い韓国打線があれだけ直球に振り遅れていた。直球に強いバッターに直球を投げてはいけないということはない。それが分かればもっと幅が広がるね」と投球を評価した上で、注文も出した。

 高卒1年目の07年にいきなり4勝を挙げながら、昨季は9試合0勝4敗など、ここ2年間は未勝利と期待を裏切っている。今年はドラフト1位の斎藤をはじめ、昨年ドラフトで大卒の同じ年の選手が数多く各球団に入団した。プロの先輩としての意地。自慢の直球を磨くことこそが、ローテーション入りの近道。「納得のいく直球がまだ10球のうち2、3球。ブルペンだと半分いくので、出現率をどんどん上げたい」と話す吉川は「誰に対してもですけどやっぱり負けられない。必死です」と言葉に力を込めた。

 この日はその斎藤にバトンをつないだ。「僕は目立ちたがり屋じゃないので。きょうはあっち(斎藤)ですよね。僕はこっそりと頑張りますから」。控えめに、だが誰よりも必死に吉川がローテーション入りを目指している。

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2011年2月14日のニュース