斎藤を斬る!東尾氏「直球に迫力を」牛島氏「フォームに難」

[ 2011年2月14日 08:32 ]

<日本ハム・韓国サムソン>1回を3人で抑え飯山(左)とグータッチする斎藤

 投手のフォーム、心理分析に定評のある球界きっての理論派、本紙評論家の東尾修(60)、牛島和彦(49)の両氏が日本ハム・斎藤のプロ初の実戦登板を観戦。1イニングを3人で抑えたものの、小手先でかわす投球に激辛トークを展開した。

 東尾 う~ん、難しいなあ。

 牛島 ツーシームを投げてボールを動かしているのか、真っすぐが自然に落ちているのか。その前提が違えば評価が変わってきますよね。

 東尾 前日は「真っすぐを投げて打たれます」と話していたのに、ツーシームを投げて抑えたくなったんだろうか…。

 牛島 ボールの走りが悪くて臨機応変にボールを動かしてゴロを打たせにいったんだとすれば、評価もできますけどね。

 東尾 ただ、そもそも体全体で低めに投げるタイプではない。どちらかというと腕で低めに投げるタイプ。

 牛島 フォーム的に言えば体重が後ろに残るから低めに投げるには手首で押さえつけなければならない。だから低めのボールが変化するのかもしれない。あの投げ方だと高めには力のある球がいくだろうけど、低めは落ちてしまう感じですね。

 東尾 いずれにしても真っすぐに迫力がないよね。ベース板が終着駅という感じ。最終地点はもっと先にあってミットを突き破るくらいの勢いがなければ。現状で満足してたのでは厳しい。

 牛島 去年秋の神宮大会のときと比べて右膝が折れず、体が沈みすぎなくなってるけど、左足の爪先の開きが早く、体が正面を向くのが早いから体重移動がしっかりできない。左足が突っ張って手でひっかくような投げ方になっている。そこは変わってないですね。
 東尾 まとまってはいるんだろうけど、おとなしいフォームで威圧感はないね。

 牛島 今のフォームならペースアップしていっても、バッター寄りでボールを離せないから、プロのバッターが変化球を振ってくれるか真っすぐに詰まってくれるかというと疑問ですね。

 東尾 そうだね。これから2割くらいレベルアップしたとしても苦しいかな。江川卓のように真っすぐで押すスタイルを押し通せればいいけど、斎藤はバッターの反応を見てどうするかというタイプだから。

 牛島 技巧派は変化させて外へ投げればいいというイメージかもしれないけれど、体を使ってかわさなければいけない。真っすぐと同じように体を使って変化球を投げなければ振ってくれません。

 東尾 俺は150キロ投げるという顔をして135キロ投げていた(笑い)。

 牛島 東尾さんは左肩をバッターの方に向けて威圧してたから135キロでも詰まらせることができたんですよ。

 東尾 斎藤ももうちょっと腕を振ってほしいよね。小手先で抑えるのが染みついているような気がする。

 牛島 抑えないといけないという使命感を高校から大学とずっと持ってきたんでしょうね。でも今度は「こうしなきゃ抑えられない、プロは」というふうに変わらなきゃいけないと思う。

 東尾 ボールを動かして打ち取るのもいいけど、バッターに向かっていく気持ちがないとね。「変化球で攻める」という意識を持ってほしい。置きにいっていいコースに決めるより、しっかり腕を振って甘くいった方が打たれない。

 牛島 そうですね。でも、今の投げ方で強く腕を振るのは難しい。そろそろ首脳陣が動いてもいい。

 東尾 それとビデオ。キャンプに入ってここまでビデオを撮っていなかったらしいけど、自分がどういう形で投げているか当然見るべき。自分のフォームを認識した上でどうするか。キャンプ中盤。考えるべき時期に来ているね。

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2011年2月14日のニュース