八重山商工初戦突破!大嶺いとこ力也2安打

[ 2010年6月20日 06:00 ]

<具志川・八重山商工>2点先制打を含む2安打2打点で初戦突破に貢献した八重山商工4番・大嶺力也(3年)

 第92回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会のトップを切って沖縄大会が19日、開幕した。4年ぶり出場を目指す八重山商工は具志川にサヨナラ勝ち。ロッテ・大嶺祐太投手(22)、翔太内野手(18)のいとこにあたる大嶺力也(3年)が2安打2打点と活躍した。今春センバツ優勝校の興南は5回コールドで快勝。日程を順調に消化すれば7月18日に代表が決まる。また、千葉、鹿児島の組み合わせが決まった。

 帰ってきた主砲が、梅雨明けの沖縄の空にあいさつ代わりの快音を響かせた。4番の大嶺が6回の先制2点打を含む2安打。4点差を土壇場で追いつかれ、最後は相手の暴投でサヨナラ勝ちの辛勝だったが「監督から結果しか求めないと言われ続けた。最高」と試合後は笑顔がはじけた。
 ロッテの大嶺兄弟はいとこ。兄弟の母の弟が力也の父だ。祐太、翔太の2人とは兄弟同然に育ち、小学校時代に軟式野球の「八島マリンズ」で野球を始め、八重山ポニーズ―八重山商工と球歴も全く一緒だ。伊志嶺監督が「今まで見た子供たちの中で1番」とうなるほどの打撃センスで1年生から4番を任されたが、昨夏大会前に「練習についていけなくて」と突然退部してしまった。
 「二度と野球はやらない」と一度は誓った大嶺だが1年間、祐太や翔太らに電話を繰り返した。復帰を迷う背中を押されて伊志嶺監督に直訴。「分かってた」と笑った指揮官は5月中旬にチームに戻ってきた大嶺を、翌日の練習試合から4番に座らせた。
 1年間のブランクもあって一塁守備はおぼつかないが「あいつは打てばいい」と指揮官。ぶっつけ本番の最後の夏に臨む大嶺も「大嶺家は野球しかない。昔からお世話になってる監督を最後に胴上げして、自分もプロに入りたい」。祐太、翔太そしてこの夏は力也だ。3人目の「八重山商工の大嶺」がバット一本で4年ぶりの甲子園を目指す。

 ◆大嶺 力也(おおみね・りきや)1992年(平4)11月25日、沖縄県石垣市生まれの17歳。石垣二中では八重山ポニーズでエースとして全国準優勝。八重山商工1年の新人戦まで投手だったが、秋から打者に専念。1年間の空白はあったが高校通算20本塁打。1メートル80、85キロ。右投げ右打ち。

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2010年6月20日のニュース