ブラゼル 球団24年ぶりキングへ量産体制

[ 2010年6月20日 06:00 ]

<横・神>5回無死、右越え本塁打を放ち、ダイヤモンドを1周する阪神・ブラゼル

 【阪神7―3横浜】美しい放物線が横浜スタジアムの右翼席にかかった。阪神が5―1とリードした5回。先頭・新井が9号ソロを放つと、続く5番・ブラゼルは大家の131キロのチェンジアップを完ぺきにとらえた。

 「別にホームランを狙っていたわけじゃないんだ。5日間もゲームから遠ざかっていて、それまでタイミングがずれていたからとにかく1本ヒットが欲しかったんだ」
 雨で1日ずれ込んだ交流戦明けの初戦。6日ぶりの試合とはいえ、これで12、13日のロッテ戦(千葉マリン)から自身4度目の3試合連発で、約1時間後に並ばれた巨人・阿部とともに両リーグ一番乗りで20号に到達した。阪神では90年のパリッシュ以来、20年ぶり5人目だが、ラッキーゾーンが撤去されてからは初のこと。60試合目での到達は阿部より2試合早く、144試合に換算すれば年間48本ペースになる。86年のバース以来、球団24年ぶりの本塁打王に向け、頼りになる助っ人が順調に量産している。
 そして、真弓監督にとっても幸先のいいスタートとなった。今季の33勝目は指揮官にとって節目となる通算100勝目。「何かくれるのか。ウイニングボールはもらってないよ。いいスタートを切りたいところでいい試合ができた」と素っ気なく言った表情は笑顔だった。昨季、7月28日にようやく33勝に到達した時は借金13。しかし、今季は最多タイの貯金7で、首位・巨人に2・5ゲーム差に迫った。「引っ付くとか離されるとかではなく、貯金を増やしていきたい」と真弓監督。巨人の独走は許さない。投打がかみ合った阪神が最高のスタートを切った。

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2010年6月20日のニュース