12球団スカウト勢ぞろい!斎藤―大石完封リレー

[ 2010年3月17日 06:00 ]

<オープン戦 早大・立命館大>5イニングを無失点に抑えた早大・斎藤

 【早大7-0立命大】早大は16日、人工芝敷設工事を終えた西東京市・早大グラウンドのこけら落としの一戦として立命大とオープン戦を行い、今秋のドラフト1位候補の豪華リレーで完封勝ちした。先発の斎藤佑樹投手(3年)が5回を1安打無失点と好投すれば、2番手の大石達也投手(3年)は4回を6奪三振でMAX150キロをマーク。プロ12球団のスカウトが勢ぞろいする中、ドラフトの主役にふさわしい実力を示した。

 こけら落としにふさわしい2枚看板の豪華リレー。色鮮やかな人工芝に改修されたグラウンドで、斎藤が先陣を切った。5回1安打無失点。国内のオープン戦初戦としては上々のスタートだ。

 「初戦なのでどうしても勝ちたかった。60~70点ぐらい。開幕まであと3週間あるので、もっと上を目指していきたい」

 4月10日のリーグ戦開幕・立大戦を見据え、結果よりも内容を重視した。あえて初回は直球主体で臨み、肩が温まった2回から変化球を交えたが、それでも二塁さえ踏ませない。2回に唯一の安打を許しても、すぐさまけん制で刺し、5回を15人で片づけた。「向こうの選手のけん制は全部殺しにくる。そういうところは見習いたい」。2月25日から約2週間の米国キャンプの成果を初戦からいかんなく発揮した。

 新球のメドも立った。「ずっと練習はしていた」というカットボールをこの日も15球ほど投じた。終わってみれば全68球中、21球がファウル。特に左打者に対し懐に鋭く小さく曲がる新球を意識させれば、投球の幅を広げることができる。14日の同グラウンド完成祝賀会では100代目主将として「今年はゴールデンイヤーにしたい」と宣言した斎藤にとって新たな武器となりそうだ。

 もう1人のドラフト1位候補、大石も圧巻の投球を披露した。6回から登板すると、3球目にこの時期としては異例の150キロをマーク。6回は3三振を奪うなど、こちらも4回をわずか1安打、6奪三振の力投。ネット裏に集結したスカウトをうならせた。「直球はある程度いい感じだったと思います。スカウト?あんまり実感がないというか、気になりませんでした」と快投にも淡々と振り返った。

 昨年12月末。治療に訪れた歯科医で歯のかみ合わせの悪さを指摘され、左右両方の奥歯を削り矯正した。「効果?最初は違う感じがしましたが、どうなんですかね」と笑ったが、広島の苑田スカウト部長は「力がスムーズに伝わるようになった」とあらためて、その素材にほれ込んだ様子だ。

 今秋ドラフトは大学生を中心に近年にない豊作といわれる。その中で1位での重複指名が確実といわれる早大コンビが、シーズンを前にあらためて存在感をアピールした。

 ▼立命大松岡監督 斎藤君は低めの制球が凄いし、大石君はケタ違い。久しぶりにええ球を見た。両名ともいい仕上がりですね。うらやましいですわ。

 ≪今季の東京六大学はハイレベル≫今季の東京六大学は各校とも強力な投手陣をそろえ、ハイレベルな争いとなりそうだ。早大は斎藤、大石に加え、福井も米国キャンプで150キロをマークするなど好調で投手陣は盤石。野手陣も昨季のメンバーの大半が残り充実している。昨秋の覇者・明大は野村、西嶋らバラエティーに富んだ投手陣を誇る。昨春優勝の法大は二神(阪神)、武内(広島)の両右腕が抜けたが、ドラフト候補の加賀美、三嶋らの投手陣は強力だ。

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2010年3月17日のニュース