西武・渡辺監督　松坂級“雄星シフト”！

菊池雄星を引き当てた西武・渡辺久信監督（左）

　興奮で顔が紅潮していた。１５５キロ左腕を自らの右手で引き当てた渡辺監督は、直後のインタビューで「雄星君！凄い運命を感じています」と熱いラブコールを送った。過去２度のクジ引きは外れ。３度目の正直で交渉権を獲得し「本当にうれしい。１０年、２０年に１人の逸材。金の卵をいっぱしの投手に育てたい。日本を代表する投手になってほしい」と話した。

西武歴代ドラフト１位と主な指名選手(平成)

西武歴代ドラフト１位と主な指名選手(昭和)

　６分の１。必勝を祈願し、前夜はスカウトらと菊池の地元・岩手の銘酒「南部美人」を回し飲みした。「彼をはぐくんだ、地元の水と米で身を清めよう」。さらに花巻東のスクールカラー・紫色のボールペンをポケットに忍ばせてクジに臨んだ。順番はいの一番。「グチャグチャとまぜようと思ったけど、そうしたら（運が）逃げちゃうと思って…。真ん中ぐらいを取った」と振り返った。
　金の卵の入団へ球団側も“松坂級”の受け入れ態勢を準備する。松坂の１年目は専属広報を置くなどして対応したが「場合によっては、そういう態勢も必要かもしれない。あらゆる面で考えないと」と小林球団社長。今後、専属広報など“チーム菊池”を結成、バックアップしていく方針だ。
　条件も契約金１億円プラス出来高５０００万円、年俸１５００万円を用意。背番号も「１２」や「１７」「１９」など、本人の希望も聞いて決めていく。松坂の１年目と同様、来春キャンプの１軍スタートも濃厚なスーパールーキー。球団は総力を挙げて日本球界のエースに育て上げる。