リーに完敗…松井「付け入るスキがなかった」

[ 2009年10月30日 06:00 ]

<ヤンキース・フィリーズ>5回裏、先頭の松井秀喜は中前安打を放つ

 【ヤンキース1―6フィリーズ】第105回ワールドシリーズが28日(日本時間29日)開幕し、ヤンキースはフィリーズに完敗。昨季サイ・ヤング賞を獲得したクリフ・リー投手(32)に6安打1点に抑えられた。同シリーズでの完投勝利は、03年にマーリンズのベケット(現レッドソックス)が第6戦でヤ軍を完封で倒して以来。その試合で4番を打っていた松井秀喜外野手(35)は6年ぶりの夢舞台で1安打したものの、悲願の世界一へ苦難のスタートとなった。

 ネクストバッターズサークルで松井は敗戦を見届け、力なく肩を落とした。前打者のポサダがリーの前にチーム10個目の三振に倒れ試合終了。ワールドシリーズでの完投勝利と2ケタ奪三振は、いずれも03年にマーリンズのベケットがヤ軍戦の第6戦と第3戦で達成して以来、6年ぶり。またしても屈辱を味わった。

 「付け入るスキがなかった。打線はいいところが全くなかった」。松井も完敗を認めるしかなかった。先頭の5回こそ中前打したが、後続が併殺打。140キロ台後半の直球をコーナーに決められ、カーブとチェンジアップにバットは何度も空を切った。「コントロールと緩急の使い方がうまかった」と昨季のサイ・ヤング賞左腕を絶賛した。

 4回にはテシェイラ、ロドリゲス、ポサダのクリーンアップが3者連続空振り三振。今ポストシーズン打率・438、5本塁打、12打点と絶好調のロドリゲスでさえ、無安打3三振と沈黙し「圧倒された。きょうの出来ならどんな打線も抑えるだろう」と脱帽した。今ポストシーズンは3敗目だが、過去2試合はいずれも1点差の惜敗。投打に圧倒されたジラルディ監督は「素晴らしい投手。でも1つ確かなのは、彼は毎日投げることはできないということ」と強がるのがやっとだった。

 最近5年間は、すべて初戦を制したチームが5試合以内の短期決着で世界一に輝いている。90年以降で見ても、初戦に敗れたチームのシリーズ成績は3勝15敗と圧倒的に不利。エースのサバシアを立て必勝を期した本拠地での初戦を落とした意味は大きい。「あまりに完敗。そういう意味では切り替えやすいかもしれない」と松井。苦しい船出に違いないが、うつむいている時間はない。

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2009年10月30日のニュース