松井秀が止まらない!“残留の風”が吹いてきた

[ 2009年8月27日 06:00 ]

<ヤンキース・レンジャーズ>9回無死満塁、右前適時打を放ち3打点目を挙げる松井秀喜

 【ヤンキース9―10レンジャーズ】ヤンキースの松井秀喜外野手(35)が25日(日本時間26日)、ニューヨークで行われたレンジャーズ戦で2安打3打点の活躍を見せた。チームは敗れたが、松井は出場した最近8試合で18打点を挙げるなど、8月は打率・303、8本塁打、24打点と“夏男”ぶりを発揮。4年契約の最終年で、再契約に向けて強烈なアピールを続けている。

 この日一番の歓声に応えた。5点を追う9回無死満塁。松井がカウント2―1から78マイル(約126キロ)のカーブを右前へ運んだ。「甘いところに入ってきたので、うまく回れた感じ」。ポサダ、カノにも適時打が飛び出し1点差に迫ったが、あと一歩届かず「いい攻撃だった。あそこまで追い上げたけど残念でしたね」と唇をかんだ。
 初回にも先制の2点適時二塁打を放ち、今季71打点。23本塁打とともに、主要打撃2部門でテシェイラに次ぐチーム2位の成績を収めている。特に、出場した最近8試合は6本塁打、18打点。巨人時代から得意としている8月は、打率・303、8本塁打、24打点と好調で「打撃の感じはいいんじゃないかな」と手応えを口にした。8月に打点を挙げた試合は8勝1敗と、チームに欠かせない存在となっている。
 今季が4年契約最終年の松井だが、勝利に直結する活躍で地元紙の見方に変化が出てきている。昨秋に左ひざの手術を受け、今季はDHのみの出場。ジラルディ監督が来季はDHを主力選手の休養に使う方針を示しており、7月までの地元メディアは再契約に否定的な報道ばかりだった。7月20日のオリオールズ戦でサヨナラ弾を放った翌日には、地元紙ニューヨーク・タイムズが「この本塁打は彼がヤンキースの選手として輝く最後の瞬間の1つだろう」とさえ報じたほどだ。
 しかし、25日のヤ軍専門テレビ局「YES」の公式ブログでは「松井は健康であれば来季も今年と同じくらいの活躍をする。チームにこれだけの得点をもたらす選手。契約延長のオファーを出すべきだ」とのコラムを掲載。最近では連日、試合前のクラブハウスで好調な5番打者に米メディアの取材が集中するなど風向きは確実に変わってきている。
 地元メディアに対し「ニューヨークの街もファンも好きだけど今季以外のことは考えていない」と語る松井。この調子でアピールを続ければ、来季もピンストライプを身に着ける可能性は十分ある。

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2009年8月27日のニュース