東大出初無安打1軍デビュー!松家満点快投

[ 2009年6月11日 06:00 ]

<日・横>8回をピシャリと抑えた横浜・松家卓弘

 【横浜3-5 日本ハム】東大を出て、プロ5年目でたどり着いた1軍マウンド。北の大地を踏みしめた松家は、直球にこだわった。

 「緊張したけど、先頭打者に高めを痛打されてわれに返った。真っすぐで打者を抑え込むのが自分の投球ですから」

 3点差の8回。小谷野に141キロを真芯でとらえられる。右翼へのライナー。これで緊張感が闘志へ変わった。代打・ボッツを二飛に打ち取ったのはフォークだが、糸井には直球勝負。ただ、闘志の制御は忘れない。2球ファウルの後のフォークを簡単に見逃したのを見て「フォークに目付けがある」と分析。新沼のサインに首を振り、内角へ直球を続けて詰まった遊ゴロに仕留めた。全9球のうち7球が直球で最速145キロ。その投球に4年間の苦労がにじみ出ていた。

 5人目の東大出のプロとして注目されながら2軍暮らし。過去2度の1軍昇格は登板機会がないまま終わった。「東大出の松家でなく、横浜の松家と言われたい」。その思いが空回りして2軍戦では制球を乱した。転機は六大学の先輩、ソフトバンク・和田(早大)との自主トレ。技術以上にメンタル面の教えを受けたという。「気持ちのコントロールの仕方がうまくなったね。今までは首を振ったら直球だったから」。湘南(2軍)から見続ける田代監督代行の言葉が成長の証だ。

 趣味は読書。経済書も手にする。それでいて野球の話になると途端に口調が熱くなる。東大出の投手4人目となる1軍デビューで無安打に抑えたのは史上初、さらに東大出投手で打者を打ち取ったのは41年ぶり。「でも、そこにこだわりはない」と言い切る松家はこう続けた。「5年という数字は長いけど、1日1日やってきたので長く感じなかった。これからも自分の投球をしたい」。その先には、中日・井手以来となる東大出投手のプロ1勝が待っている。

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2009年6月11日のニュース