おかわり君 やっとお目覚め1発も空砲

[ 2008年11月5日 06:00 ]

<西・巨>6回、3点本塁打を放った中村(左)は、中島(右)らとハイタッチ。投手西村健

 【西武6-4巨人】待望の初アーチは空砲に終わった。シリーズ11打席目にして飛び出した初安打。しかしチームが敗れたとあっては、西武・中村も素直に喜ぶことはできなかった。

 「どうでもいいという気持ちでいきました。感触はよかったけど、負けたら意味ないんで…」

 5点を追う6回、3連打で1点を返した後の1死一、二塁。代わった西村健の甘く入った144キロシュートを逃さなかった。滞空時間の長い一撃は、G党で埋まる左翼席へ吸い込まれた。1点差に迫る3ラン。「(打席に入る前)デーブさんに“打てなくても命を取られるわけじゃない”と言われたんで」。無心のフルスイングで吹っ切れた。ベースを1周しナインの手荒い出迎えを受けると、渡辺監督の「久しぶりに出たな」という一言にやっと笑みがこぼれた。

 第1、2戦と徹底した内角攻めに苦しみ8打数無安打。シーズン46発を放ちキングを獲得した打棒は鳴りを潜めた。試合のなかった3日の打撃練習では「大きくゆったり振る」ことを心がけサク越えを連発。試合前は夫人特製の「キノコ的なものが入っている」ジャンボおにぎりをほおばり、ようやく結果を残した。

 1勝2敗と黒星が先行しても焦りはない。「まだ追い込まれたわけじゃない。あしたにつながる」。目覚めた大砲がおかわり連発で必ずチームを救う。

 ≪“シリーズ男”だったのに…石井一5失点≫これまで3勝1敗、防御率1・27の“シリーズ男”が苦杯を喫した。先発した西武の石井一だったが、初回に先頭・鈴木尚に右翼線二塁打。内野ゴロで三進、さらに暴投と、わずか3球で先制点を献上した。「試合を通して自分のボールが投げられなかった。(大事な試合を)任されたのに…。自分が許せない」。2回には鈴木尚に3ラン。3回以降は無失点だったが、6回にラミレスに痛恨の一発を浴びて5失点で降板した。

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2008年11月5日のニュース