田沢争奪戦!ブレーブス 破格オファー

[ 2008年11月5日 06:00 ]

挨拶に訪れたブレーブス・大屋国際スカウト(左)は新日石・大久保監督と談笑

 田沢争奪戦がヒートアップしてきた。大リーグ挑戦を表明している新日本石油ENEOSの田沢純一投手(22)が4日、川崎市内のチーム施設でブレーブスとマリナーズの担当者と初めて接触した。ブ軍は「米国のドラフト1位以上」の金額に加え、異例のメジャー契約を提示し、マ軍も今月中には条件提示する見通し。レッドソックスが本命とみられる中、強力な対抗馬が浮上した。

 本命とみられるレッドソックスがメジャー契約を用意しているといわれる状況で、ライバル球団も黙ってはいなかった。この日は午前にマリナーズ、午後にはブレーブスのスカウトが合宿所を訪問。特に投手陣補強が急務のブ軍は、早くも破格のオファーを用意した。

 大屋博行・国際スカウトは約45分間の会談後「ある程度、条件提示をさせてもらいました。メジャーで投げてもらいたいと思っているので」と明かした。メジャーでプレーできる40人枠入りを保証するメジャー契約で、金額については伏せたが「22歳大学生のドラフト1位選手以上のもの」としており、契約金として100万ドル(約9900万円)前後が提示されたもよう。実績のない外国のアマ選手としては異例の待遇といえる。

 ブ軍は、田沢が出場した9月の都市対抗にレンGMがシーズン中にもかかわらず視察に訪れたほか、10月の新日本石油ENEOSのブラジル遠征にも幹部を派遣している。チームは主力の高齢化などで11年続いた地区優勝が05年でストップし、今季も地区4位と低迷。大屋スカウトは「若返りは急務。投手王国立て直しの1人になってほしい」と期待し、正捕手マキャンが表紙を飾るチーム月刊誌の最新号を手渡してラブコールを送った。

 低迷から再建を目指すマ軍も参戦を正式表明。山本泰・国際スカウト部日本担当は「新GMが決まって、ようやくゴーサインを出してもらった」と説明した。今月中旬にエンゲル国際スカウト部長が来日し、日本選手権を視察するとともに条件提示を行う見通しだ。
 交渉の窓口となる大久保監督は「お金よりも環境面や2、3年後のビジョンをしっかり持ってくれる球団がいい」とポイントを挙げる。今後新たな球団が名乗りを上げる可能性もあり、争奪戦はまだまだ白熱しそうだ。

 ≪レッドソックスは慎重≫レッドソックスのエプスタインGMはGM会議の会場で田沢について慎重な姿勢を示した。地元紙ボストン・ヘラルドも4日付で「田沢獲得はレ軍リード」と報じているが「田沢のことは知っている。しかし、彼は企業に所属している状態にあり、現時点では何もコメントできない」とした。また、マリナーズのズレンシックGMは「田沢のことは知っている。他球団同様に今後の成り行きを見守りたい」と語った。

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2008年11月5日のニュース