山口 育成ドラフト経て夢舞台で登板

[ 2008年11月5日 22:52 ]

 【巨人0-5西武】6回。巨人のマウンドに山口が上がった。2005年から始まった育成ドラフトを経て入団した選手が、日本シリーズの舞台に初めて立った瞬間だった。

 いきなり石井義に痛烈な安打を許すなど一死二、三塁のピンチを背負った。それでも、後続を連続三振に切って取った。
 育成制度は、社会人野球で廃部が相次ぐ中、選手のすそ野が狭まることを防ぐ目的で始まった。山口は神奈川・横浜商高卒業後、日本の球団から声がかからずに渡米。05年秋に帰国後、横浜と楽天の入団テストを受けたが、ともに不合格だった。
 今季67試合に登板し、中継ぎで11勝(2敗)を挙げた。紛れもなく逆転優勝の立役者の一人だった。育成制度がなければ、山口の夢の実現はもちろん、巨人のリーグ連覇もかなわなかったかもしれない。
 1回を1安打無失点。この日の山口の記録は取り立てて特別な数字ではなかったが、プロを目指す若者たちを勇気づける価値ある1ページを刻んだ。

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2008年11月5日のニュース