悪くても勝つ!松坂、無傷の6連勝

[ 2008年5月12日 06:00 ]

<ツインズ・レッドソックス>あれ、ボールが真上に!新しい魔球?! 3回無死 打者・マウアーの時、投球動作に入るもボールがすべり後方へこぼす松坂

 【レッドソックス5―2ツインズ】レッドソックスの松坂大輔投手(27)が10日(日本時間11日)、ツインズ戦で7回6安打2失点で開幕から無傷の6連勝。ア・リーグのハーラートップタイに立った。序盤制球に苦しんだが、スライダーを軸に横の変化で中盤以降立ち直った。左足の上げ方を微妙に変える工夫も織り交ぜて的を絞らせなかった。これで昨年からレギュラーシーズン登板試合はチーム10連勝。背番号18の不敗神話は続く。

 松坂は自身の調子を「悪い」と評した。だが、フランコナ監督は「彼の投球が(前夜サヨナラ負けの)チームを軌道に乗せてくれた」と絶賛。調子と結果は比例しない。そこに松坂の魅力がある。
 「ひじを上げようと意識しなければ上がらない状態でしたし、自分の投げるボールは不安定なまま終わった。その中でうまく調整して投げることはできた。僕の中できょうぐらいのものがあれば、あれぐらいのものは出せると思います」
 2回に1死満塁からゴメスに押し出し四球を与えた。「1点目の取られ方が最悪」だったが、3回以降、スライダーが決まり、投球内容は一変した。「スライダーが良かったので、それを軸に組み立てることができた」。シュート系のツーシームを入れ、スライダー、カットボールの威力を高める配球。さらに「同じリズム、タイミングになって打者に合わないように」と左足を上げた時のタメをつくる時間を微妙に変える工夫も凝らした。昨年まで影を潜めていた投球術の多彩さを発揮しての7回2失点だった。
 白星を届けたい人がいた。インフルエンザからの復帰戦となった4月30日ブルージェイズ戦。7回2安打無失点と好投しながら、白星はつかなかった。試合後に母・由美子さん(54)に電話した。誕生日を祝福するためだったが「あなたは勝ってないじゃない、それに日本は5月1日だよと言われちゃいました」と松坂。だが、この日は日本では母の日。今度は日本時間に合わせて白星をプレゼントすることができた。さらに3月に誕生した長男は遠征中に初節句(5月5日)を迎えた。「知人からカブトはいただいたんですけど」と話す松坂は14日夜にボストンに戻る。家族とお祝いができる瞬間が待っている。
 6勝目はハーラートップタイ。開幕6連勝は西武時代の02年以来の自己最多タイで、メジャーの日本人選手でも02年の石井一(当時ドジャース)に並ぶ最多となった。何よりチームは昨年9月からレギュラーシーズン登板試合10連勝。そんな記録にも「最終的にチームが勝っているのでいいんじゃないでしょうか」とサラリ。この試合、チェンジアップはわずか2球。まだまだ“引き出し”はある。

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2008年5月12日のニュース