“赤いトルネード”篠田が初先発初勝利

[ 2008年5月12日 06:00 ]

<ヤクルト・広島>プロ入り初先発初勝利の篠田は、ウィニングボールを手に笑顔を見せる

 【広島2―1ヤクルト】プロ初勝利は、思い出がたくさん詰まった神宮球場だった。広島の大学・社会人ドラフト1巡目ルーキー篠田はヒーローインタビューで「素直にうれしい」と初々しい笑顔を見せた。5回に内野ゴロの間に1点を失ったが、6回途中まで5安打無四球と踏ん張り、あとをリリーフ陣に託した。

 昨年11月、日大のエースとしてこのマウンドに立ち、国学院大との入れ替え戦に臨んだ。初戦で1安打完封。チームを1部昇格に導いた篠田は涙を流した。今度は広島の背番号14を背負って躍動。セットポジションからくるりと打者に背中を向け、勢いのある直球を投げ込む“赤いトルネード”のインパクトは強烈だった。チームの連敗を4(1分けを挟む)で止めた“救世主”の出現にブラウン監督も「逃げずに、ストライクゾーンを思い切り攻めてくれた」と称賛した。
 外れ1巡目ながら3球団が競合した逸材だが、開幕は2軍スタート。ファームでは変化球の精度を上げるなど常に前向きに取り組み、広島では06年の斉藤以来の初先発初勝利を実現させた。「神宮は投げやすかったですね。先発でどんどん使ってもらえるよう、頑張るだけ」。23歳の若武者は気を緩めなかった。

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2008年5月12日のニュース