宗岡氏が全柔連理事候補に 専務理事には元大阪府警本部長

[ 2013年8月12日 19:37 ]

取材に応じる全柔連の山下泰裕理事=12日午後、東京都文京区の講道館

 全日本柔道連盟(全柔連)は12日、東京都文京区の講道館で常務理事会を開き、新日鉄住金の宗岡正二会長兼最高経営責任者(67)と、元大阪府警本部長の近石康宏氏(64)を新理事候補として評議員会に推薦するよう理事会に要請することを決めた。宗岡氏は外部から初となる会長就任が確実で、近石氏は専務理事になるとみられる。

 全柔連の宇野博昌広報委員長は記者会見で、4人の選考チームは宗岡氏で早期に一本化したことを明らかにし「改革に対する意識が非常に強く、遂行する力量があると判断した」と説明した。近石氏の登用は宗岡氏が強く望んだ。両氏はともに東大柔道部出身。

 14日の臨時理事会を経て、21日に開催予定の臨時評議員会で理事に承認されれば、新理事会の互選で「宗岡会長」が率いる新体制が誕生する。執行部のメンバーは新会長が指名し、山下泰裕理事は副会長に昇格する見通し。同理事は「できるだけ汗をかきたい」と意欲を述べた。

 常務理事会では、日本スポーツ振興センターからの指導者向け助成金で使途に問題のあった6055万円の返還方法も協議した。受給者を含む関係者約60人の負担配分は14日の理事会で詳細を詰める。不祥事発覚以前からの理事の総辞職も同日に検討する。

 常務理事会は8月中に辞任する上村春樹会長と副会長2人、専務理事のほか、山下理事ら11人で構成。1日に発足し、全柔連の新体制移行などについて協議している。

 ▼山下泰裕・全柔連理事の話 宗岡さんとは3年くらい前に対談したことがある。多くの経験、高い見識をお持ちで、私の中では(新会長の)イメージがあった。もしなられたら新会長の下で、できるだけ汗をかきたい。

 ▼藤原庸介・全柔連外部理事の話 宗岡氏は柔道の今後百年の基礎をつくっていただける。非常に妥当な人選だ。女性理事も入り、さらに柔道界の多様化を進めてくれると思う。

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2013年8月12日のニュース