山県 左太腿裏肉離れで400リレー欠場、100予選で異変

[ 2013年8月12日 06:00 ]

<男子100メートル予選>準決勝進出を逃しガックリの山県

世界陸上

(8月11日 モスクワ)
 短距離陣に衝撃が走った。日本陸連は11日、男子100メートル予選7組(10日)で10秒21の4位で準決勝に進めなかった山県亮太(21=慶大)が、レース中に左太腿裏を肉離れしていたと発表した。この日になってさらに痛みが増している状況で18日の400メートルリレーは欠場が決定。日本選手権王者不在のリレーでは同じく男子100メートルで予選落ちを喫した桐生祥秀(17=洛南高)に期待がかかる。

 日本のエースが、まさかのアクシデントに見舞われた。10日の100メートル予選7組。世界記録保持者のウサイン・ボルト(26=ジャマイカ)と同じ組に入った山県はピストルへの反応も鈍く、中盤以降もスピードに乗れなかった。自己ベスト10秒07に遠く及ばない10秒21。各組3位以外からタイム上位3人までが進出できる準決勝に、わずか0秒01届かなかった。「こんな結果になって申し訳ない。自分は決勝にいけると思っていた」と肩を落としたが、レース中に故障していた。

 日本陸連の伊東短距離部長によると、70メートル付近で左大腿部の後ろ側に衝撃があったと本人が報告。「何が悪かったのか分からない。力を出せなかったのは実力不足」と山県はレース後に話していたが、失速の原因は左脚の異変だった。すぐにチームドクターが診察すると、左大腿部後面筋の緊張が落ちていたという。一夜明けたこの日、再び診察したが、症状は悪化しており、中等度の肉離れと診断された。山県も強い痛みを訴えており、大会期間中の競技参加は難しいと判断。18日の400メートルリレーの欠場が決まった。

 バックストレートを駆ける2走を任されるはずだったエースの不在は、メダルを目指す日本にとって大きな痛手だ。バトンパスに不安がある桐生の1走、飯塚の4走は動かしにくく、2走は現時点で藤光が有力。3走は16日の200メートルの状態を見て高瀬か小林のどちらかを起用することになりそうだ。

 山県は昨秋も右太腿裏を肉離れしており、伊東短距離部長は「ケガが多いことはこの先が心配。症状は軽いわけではない。本人が一番、つらかっただろう」と厳しい表情。チームより先に帰国する可能性もあり、帰国後は国立スポーツ科学センターで精密検査を行う。

 【男子】▽100メートル予選「2組」 カーター(ジャマイカ)10秒11(2)マルティナ(オランダ)10秒17(3)スメリー(カナダ)10秒30(4)桐生祥秀(洛南高)10秒31 「7組」(1)ボルト(ジャマイカ)10秒07(2)ジョボワナ(南アフリカ)10秒17(3)ギテンス(バーレーン)10秒19(4)山県亮太(慶大)10秒21

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2013年8月12日のニュース