遼 粘って浮上 “餅つき”ルーティンでショット上向いた

[ 2013年8月12日 06:00 ]

14番、グリーンでラインを読む石川

USPGAツアー第95回全米プロ選手権第3日

(8月10日 米ニューヨーク州ロチェスター オークヒルCC=7163ヤード、パー70)
 “餅つき”ルーティンで調子を上げてきた。28位から出た石川遼(21=CASIO)は5バーディー、5ボギーの70。通算イーブンパー、210で首位と9打差の21位に浮上した。同じく28位から出た松山英樹(21=東北福祉大)は73で通算3オーバーの38位に後退。68で回ったジム・フューリク(43=米国)が通算9アンダーで首位に立った。

 最終18番のティーグラウンド。“餅つき”ルーティンを繰り返す石川を見てギャラリーが失笑した。だが、直後のティーショットは332ヤードを飛ばしてフェアウエーのど真ん中。笑っていた外国人も豪快な一打に目を丸くして驚いた。現在、重いボールを地面に叩きつけて体幹を強化するトレーニングを行っているが、石川は杵(きね)を振り下ろす餅つきのような動作がスイングの動きにつながっているといい、今大会からクラブを使ってのルーティンに導入。スイングでは上体が伸びて体が開く癖があったが、早速、球筋が安定し始めた。

 「連続ボギーでいい流れのスタートではなかったが、我慢できた」と石川は粘りのゴルフに手応えを語った。1番から連続ボギーを叩く不安定な出だしも、4番でバーディーを奪い立ち直った。226ヤードの11番パー3は3Iで3メートルにつけてバーディー。12、16番では4メートルを沈めて一時は通算2アンダーの11位まで浮上した。風向きが目まぐるしく変わる中、17番でボギー、18番は2打目をグリーン手前に落としてボギーとしたが、それでも、予選落ちが続いていた状態を考えれば致命的なミスがないのは光明。それどころか5バーディーを奪い、「巻き返せたのは良かった。それをメジャーでできた」と前向きに捉えた。

 石川は単独5位で賞金32万ドル(約3070万円)を獲得すれば、今季の賞金が65万5230ドル(約6300万円)となり、シード獲得の目安となる昨季の賞金ランク125位の金額(64万7510ドル)をクリアする。ただ、5位とは5打差で厳しい状況。それでも、ショットが上向きなのは最終戦のウィンダム選手権(15日開幕、米ノースカロライナ州)に向けて好材料だ。

 「今のところ(シードは)遠い。トップ3に入らないと意味がない。もちろんそこを目指してやります。最終日はロケットスタートしたい」。大詰めとなったシード争いへ覚悟を示した。

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