乙武洋匡氏 聴覚障害児の逸失利益は平均の“85%”の判決に「悔しい」

[ 2023年2月27日 20:16 ]

乙武洋匡氏
Photo By スポニチ

 作家の乙武洋匡氏(46)が26日、自身のツイッターを更新。聴覚障がい児の将来得られたはずの「逸失利益」の算出基準について全労働者の賃金平均の85%と判断されたことについて「悔しい」と吐露した。

 乙武氏は「裁判所が、「聞こえない人」の価値を、「聞こえる人」の85%だと判断しました。たとえばエンジニアなど、健聴者と遜色なく働ける職種や環境も整ってきているのにね。障害者の「可能性」を裁判所に否定されるなんて悔しいよ」と記したもの。

 18年に大阪市生野区で聴覚支援学校に通っていた11歳の井出安優香さんが下校中にショベルカーの暴走に巻き込まれて死亡したとして、遺族が運転手側に計約6000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、、大阪地裁がこの日約3800万円の支払いを命じたもの。武田瑞佳裁判長は、将来得られたはずの「逸失利益」の算出基準について全労働者の賃金平均(約497万円)の85%と判断した。運転手側は「障害の影響で意思疎通や進学、就職が困難だった」として、この賃金平均の6割にとどまると反論していた。

 事故は18年2月、大阪市生野区で運転手がてんかん発作で意識を失い歩道を暴走。安優香さんを死亡させたほか、4人にけがを負わせたもの。運転手は自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪などで懲役7年の実刑が19年3月に確定し、遺族は20年1月に提訴した。

続きを表示

2023年2月27日のニュース