笑瓶さん通夜 笑福亭鶴瓶「師匠より先に逝くって、おかしいじゃないですか」ラジオ出演後ひっそりと斎場へ

[ 2023年2月27日 05:10 ]

弔問に訪れた笑福亭鶴瓶(撮影・会津 智海)
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 急性大動脈解離のため22日に66歳で亡くなったタレントの笑福亭笑瓶(しょうふくてい・しょうへい、本名渡士洋=とし・ひろし)さんの通夜が26日、東京・築地本願寺でしめやかに営まれた。親交のあったタレントや関係者ら400人が参列し、師匠の笑福亭鶴瓶(71)は「師匠より先に逝くとは」と沈痛な面持ち。27日午後0時半から同所で行われる葬儀・告別式では弔辞を読む。

 通夜が始まってから約1時間半後、鶴瓶はひっそりと訪れた。ハンチング帽をかぶり、背中を丸めながら憔悴(しょうすい)しきった様子だった。

 トレードマークの黄色い眼鏡をかけた棺の中の笑瓶さんと対面した。50分ほどして報道陣の前に姿を見せ「ええ顔してましたわ…」とぽつり。「師弟関係というより、友達みたいですから。ええやつですよ。素敵なやつでした。師匠が褒めるのはおかしいですけど」と絞り出した。

 1981年、29歳だった鶴瓶のもとに、24歳の笑瓶さんが弟子入り。1年半で何度も弟子入り志願に来た笑瓶さんの熱意に負けた。「弟子を育てる自信もなくて3回断ったが、師匠(笑福亭松鶴さん)が上方落語を盛り上げるために取れと。すぐに大阪でも東京でも人気が出た。師匠も喜んでいると思う」と語った。

 昨年12月10日には一門で集まったという。弟子の筆頭が笑瓶さん。「弟子たちに何か伝えたい時には笑瓶から言ってもらうことがあった。筆頭がいなくなるのは悲しい。師匠より先に逝くって、おかしいじゃないですか」と悔しそうな表情を浮かべた。

 参列する直前までニッポン放送「笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ」の生放送に出演。番組のほとんどを思い出話に費やし、笑瓶さんが好きな曲をかけた。鶴瓶は放送終了後、弔辞について本紙の取材に「(内容は)何も決めていない。その時に思ったことを言うでしょうね」と胸の内を明かした。ショックが大きく、言葉をまとめきれないようだった。「ずっとあいつのことを考えてるの。なかなか重たくて…。こびを売ることはないし、深い愛情があった」と思いを語った。「本人が気にしている奥さんや、弟子のことは心配せんでいいと。そう伝えてやりたいです」。笑瓶さんの遺影に呼びかけるつもりだ。

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2023年2月27日のニュース