広島・矢野 定位置獲りの大チャンス 課題の打撃も好調「今つかまないと…セカンド、ショートどっちか」

[ 2024年4月16日 06:00 ]

広島・矢野
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 広島・矢野雅哉内野手(25)に定位置獲りへの絶好機が到来した。定評のある堅守はもちろん、課題とされる打撃でも今季は打率・350と猛アピール。相手の隙を突く走塁を含め、攻撃面でも存在感を高めている。16日からのDeNA2連戦(マツダ)を前に「セカンド、ショートどっちか。チャンスだと思うので、大事にやっていきたい」と気合を入れた。

 打線が総じて低調だからこそ、矢野の奮闘ぶりは目立つ。14日の巨人戦(東京ドーム)では唯一の得点に絡んだ。三塁強襲安打で出塁した3回に犠打で二進し、野間の打席で狙い通りの三盗に成功した後、一ゴロの間に先制のホームを踏んだ。

 「ミーティングからそういう話(盗塁)があったし、(巨人・高橋礼の)フォームが大きい分、狙っていた。ギャンブルのサインだったので、迷わず(スタートが)切れた」

 走力を生かしてもぎ取った貴重な1点。打席でも、ひと味違った姿を披露する。アンダーハンドから浮き上がる、高橋礼の外角直球を捉えた三塁内野安打が今季7本目の安打。昨季トータルでの安打数22本と比較すれば、成長は一目瞭然だ。

 「割り切って、しっかりスイングできていることが結果に出ている。そこが(昨季と)一番違うかなと思う。去年は安打を打ちたい気持ちが強すぎた」

 13日の同カードでは7回に左腕・中川から左前打。「真っすぐを打つ」と割り切っていた。粘る姿勢も光る。2、4回には先発・堀田に計19球を投げさせて2四球。今の矢野には出塁し、チャンスメークしてくれそうなムードすらある。

 「打撃もだけど、彼の守備はスペシャルだし、走塁も意欲を持って次の塁を狙ってくるので、相手からしたら凄く嫌な存在になりつつあると思うね」

 14日の試合後、新井監督は攻守走で奮闘する若ゴイを称えた。念願の定位置獲りへ、矢野にとっては千載一遇のチャンス到来。本人は意欲満々だ。

 「今つかまないと、なかなかチャンスは巡ってこないと思う。セカンド、ショートどっちか。大事にやっていきたい。頑張りたい」

 本職のショートはもちろん、師と仰ぐ菊池の助言を受けながら、今季は慣れないセカンド守備でも堅守を披露する25歳。打席でのパフォーマンスをコンスタントに続けられるか否かが鍵になる。

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