パドレス・ダルビッシュ ドジャース・大谷2K封じも「ボール球ばっかりでゴメンね」

[ 2024年4月16日 01:30 ]

ナ・リーグ   パドレス6―3ドジャース ( 2024年4月14日    ロサンゼルス )

<ドジャース・パドレス>2回、味方の好プレーで指を指すダルビッシュ(撮影・光山 貴大)
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 パドレスのダルビッシュ有投手(37)が14日(日本時間15日)、ドジャース戦に先発。大谷翔平投手(29)を3打数無安打2三振に封じた。松井秀喜(ヤンキースなど)を抜く日本選手最多の通算176本塁打に王手をかけている相手主砲の新記録を阻止し、1安打された開幕戦のリベンジを果たした。5回4安打3失点で5度目の登板でも今季初勝利、日米通算197勝目はお預けも、後輩に意地を見せた。 

 「ボール球ばっかりでゴメンね」。3回の投球を終え、ベンチに戻る時だった。ダルビッシュはマウンド付近ですれ違った大谷に思わず声をかけた。

 直前の3回2死の対戦では3ボールになり、最後は6球目を三飛。「(4球目の)ボール球を振ってくれて。わざとだと思う。もっと気持ち良くストライクゾーンにどんどんいきたかった」。この2人だからこそ奏でられる極限の勝負。日本ハムの先輩、後輩で、大谷は自身の背番号11を受け継いだ。今は世界最高峰の舞台で覇を競い合う。燃えないわけがなかった。

 「大谷君が来ると日本にいた時の、個々の対決の楽しさを思い出させてくれる。モチベーションを凄く感じる」。初回無死二塁では3球目にこの日最速94・9マイル(約153キロ)を計測。最後は内角カットボールで空振り三振を奪った。ボール球が続いて「ゴメンね」と謝った2打席目を挟み、5回1死では意を決してストライクを続けた。5球目、再びカットボールで三振。この日の2三振はいずれも大谷から奪った。

 大谷は日本選手最多の通算176号に王手をかけての試合だった。打席のたびに新記録樹立に備え、刻印が入った記念球が使用された。事前に知らなかったダルビッシュは、ボールの“異変”に気づいてマウンド上で凝視し「数字とアルファベットが書いてあった。ドジャースが何か変なことをやってるんじゃないかと」とニヤリ。引き立て役は御免。「だからこそ、思いっきり勝負したかった」。3打数無安打2三振。日米通じて初対戦だった韓国ソウルでの3月20日開幕戦では2打数1安打で痛烈な右前打を浴びたが、この日は完勝で貫禄を示した。

 前日の試合前にはド軍・山本も交えて3人で笑顔で言葉を交わした。「楽しかった。大谷君も結婚して、いろいろ肩の荷が下りたじゃないけど、隠さなくてもいいところが増えた。凄く明るく感じる」。元専属通訳の違法賭博事件ではプレー以外で激動の日々。「いろんなことが今はあると思うけど、笑顔で前向きにやっているのを見ると自分も元気になる」と先輩として優しい言葉を口にした。

(今季初勝利お預け/) 5回4安打3失点。自身の白星は付かず、今季初勝利はお預けで「やっぱり勝った方が気持ちがいい」。それでも爽快な表情だった。同じナ・リーグ西地区で対戦はまだまだ続く。大谷と極限の勝負を味わう機会は、何度もやってくる。(笹田幸嗣通信員)

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