ソフトB和田「大輔を抜けば、いい一年」 43歳誕生日に誓った2桁勝利&松坂氏の170勝超え

[ 2024年2月22日 05:25 ]

<ソフトバンク宮崎キャンプ>43歳の誕生日を迎えた和田はファンから両手いっぱいにプレセントをもらい笑顔を見せる(撮影・岡田 丈靖)
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 “進化球”を武器に8年ぶりの2桁勝利を目指す――。ソフトバンクの和田毅投手が21日、43歳の誕生日を迎えた。プロ22年目の今季は開幕ローテーション入りが内定。首脳陣に調整のペースを一任され、ブルペンで改良したカットボールに好感触を得ている。日米通算163勝左腕は現在も進化中。昨季8勝を超える2桁勝利をマークし、同世代で日米通算170勝の松坂大輔氏(本紙評論家)を超える意気込みだ。

 ファンが声を合わせて誕生日ソングを歌う中、和田はバースデーケーキを前に照れていた。今年もキャンプ地で迎えた誕生日。「一つ年は取ったけど、あまり42歳の時と体は変わらないかな。眠たくなるのが早くなったくらい。お酒も弱くなったような」と笑みを浮かべた。

 プロ22年目を迎えたが、43歳の肉体は衰え知らずで投球への探究心は不変。新シーズンを前に感触をつかんだ球種がある。2010年頃から投げてきたカットボールだ。「ある程度は完成したという手応えは自分の中ではある。それを今年のゲームで、もっともっと出していけたら。投げてはきたけど、投げてきた感覚がようやくまとまってきている」

 開幕ローテーション入りが内定している左腕は、自分のペースで調整を進めている。第4クール3日目の17日に42歳最後のブルペン入りし、カットボールなど全球種を計100球投げた。「ずっと投げてましたし、新球ではない」というが、改良を重ねて信頼度が増した。「投げ過ぎると他に支障が出る」と条件付きだが、本格導入を決めた。

 “進化球”は1学年上の左腕・ヤクルト石川を参考にした。直球に近い球速帯で球を微妙に変化させてバットの芯を外す。「僕の目標ですし、負けないように。石川さんの刺激になれるよう頑張りたい」。同じ40代投手として負けられない。

 “自分超え”と“大輔超え”を誓う。「毎年言ってますが、昨年の自分を超えられるように」。昨年は一昨年の7勝を超える8勝をマーク。今年は15勝した16年以来となる「2桁勝利」を目標に掲げている。昨季まで日米通算163勝で達成すれば同世代で同170勝の松坂大輔氏(本紙評論家)を超える。松坂世代最後の現役選手は「大輔を抜けば、いい一年になる」と思い描いた。

 キャンプ休日前の18日夜には、長崎自主トレで一緒に汗を流したリチャードら後輩たちが、宮崎市内の寿司店で誕生日会を開いてくれた。人望も厚い左腕は「あと1、2回ブルペンに入って実戦に入る。一年間投げてリーグ制覇、日本一。そうなれるように」と語った。鷹が羽ばたくためには43歳左腕の力が欠かせない。(井上 満夫)

 《昨季はカットボールなし》○…共同通信プロ野球データシステム「翼」によると、和田の昨季全1640球の中での球種割合は

直   球=47・1%
スライダー=32・6%
チェンジアップ=15・1%
カ ー ブ=2・9%
ツーシーム=1・8%
フォーク=0・5%

 昨季の記録されていないカットボールは、22年に1・1%(1271球)の割合で投げている。

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