【虎番潜入】G新助っ人・オドーア要警戒 MLB178発で引っ張り打者予想も 吉田正尚タイプの広角砲だ

[ 2024年2月22日 05:15 ]

フリーバッティングする巨人・オドーア(撮影・藤山 由理)
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 宿泊先最寄りの許田ICから、阪神キャンプ取材で毎日利用する宜野座出口を横目に南下すること1時間強。巨人キャンプ地、沖縄セルラースタジアム那覇に到着した。MLB通算178本塁打を誇るオドーアの豪快な打撃を楽しみに、球場正面で受け付けを済ませた。

 15日に来日して19日から屋外で練習しフリー打撃で73スイングで4本の柵越えという巨人担当の記事を読んでいた。阪神キャンプでは序盤に井上、前川、野口ら“虎のロマン砲”が1日20本以上スタンドイン。対照的に静かな発進のO砲に不気味さも感じていた。

 第5クール初日、いよいよフルスイングで柵越え連発――。勝手な思い込みを胸に、ネット裏上段から見守っていると、ひたすら低い打球を打ち続けるオドーアがそこにいた。内角は鋭く引っ張り、外角は鮮やかに逆方向へ。右足を踏み込んだ際にも頭の位置が動かずスムーズにバットが出て、右手を離した大きなフォロースルーは吉田正尚(レッドソックス)を思わせた。

 メジャーでの178本中、約87%に相当する154本が引っ張って右中間から右越えに運んだアーチだった左のパワーヒッター。けんかっ早い性格から「狂犬」の異名も持つ男が、淡々とミートを繰り返す。不気味さが増した。メジャー通算1154試合で打率・230、1045三振。19年レンジャーズ時代にはア・リーグ最多タイの178三振を喫するなど粗さも目立つ一方で、完璧に捉えた時の打球の強さは本物だ。日本の野球に適応すれば、一発が出やすい本拠・東京ドームで量産の予感も漂う。

 阪神としては出はなをくじいておきたい。開幕の舞台はその東京ドーム。先発候補に挙がる村上や伊藤将が緻密な制球で、青柳、才木らが力で「狂犬」を沈黙させれば、昨季18勝6敗1分けと圧倒した「伝統の一戦」で、再び優位に立てそうだ。
(八木 勇磨)

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