巨人・松井颯の快挙に阿波野コーチ「100点満点」 次回も先発?「そのつもりですけど」

[ 2023年5月21日 19:18 ]

セ・リーグ   巨人5―2中日 ( 2023年5月21日    東京D )

<巨・中>プロ初勝利の松井はウイニングボールを手に、ウォーカー(左)とともにお立ち台に立つ (撮影・西川祐介)
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 巨人の育成ドラフト1位右腕、松井颯(はやて)投手(22)が21日に出場選手登録され、同日の中日戦(東京D)でプロ初登板初先発。3回まで完全投球を見せるなど5回2安打無失点と好投してプロ初勝利をマークした。

 育成出身の新人が初登板初勝利を挙げるのは2018年のソフトバンク・大竹耕太郎(現阪神)以来5年ぶりNPB2人目、セ・リーグ初の快挙となった。

 試合後、阿波野秀幸投手チーフコーチ(58)との一問一答は以下の通り。

 ――松井が初登板初勝利。

 「プレーボールのときは緊張している空気が凄い出ていたのでこっちも緊張するくらい。投球練習でいきなりね…(初球がバックネット直撃)。まず1アウト取れて、1イニング抑えていいスタートが切れたのが良かった。とにかくひと回り頑張ろうと送り出したので、3イニングパーフェクトというこちらも想像を超えるくらいの頑張りをみせてくれた。100点満点。打席でもよく頑張った(4回に犠打成功で追加点につなげる)と思います」

 ――ブルペンは。

 「今日のブルペンは良かった。この前練習参加したときと同じくらいのボールがいっていた。フィールドに出たら怪しい感じはあった。いまとなっては相当気持ちが高ぶっていたんだと思います」

 ――先発の決め手。

 「2軍の先発ローテで開幕して任されたイニングを全うできる。ストレートの速さに加えて変化球も操れるのも見せてくれた。1軍の空気の中で一度やってみようと。自分のなかでアピールしなきゃという気持ちはあったんですけど、期待通りの投球を見せてくれたので登板日を決定するに至ったというところですね」

 ――直球とシンカーが良かった。

 「シンカーは入団時から見ていて、スカウトからも聞いて分かっていた。そこに頼ってはいけない。オープン戦は課題を与えて2軍で鍛錬するという時間を与えた。今日はストレートも良かったし、シンカーも随所に力を発揮してくれた。対戦チームも2軍のリーグと違うし、1軍でも対戦するバッターは初めて。今日は戦略的にはまったというのはあります」

 ――飛ばしていた。

 「松井だけではなく横川、赤星もそう。若い投手陣なので、ひと回りしっかり投げ切れれば見えてくるものがある。変に100球をちゃんと投げようとか、さらに欲張って完投とか考えると出だしでずっこけることがあるので、そこは意識している部分。一時期、先発は甲子園とかマツダでダメなときがあったけど、あの辺を越えたあたりから、みんなの意識が変わってくれたなというのはあります」

 ――中川、鈴木康。新戦力で7、8回。

 「球団も大きな決断でトレードを敢行してくれて、こちらが欲しい選手を取れたわけですから、どんどん使っていきたい気持ちはあります。それに鈴木が応えてくれた。連投だけどね。投げてくれるのは頼もしい存在になってくれるんじゃないかな」

 ――松井は次回は。

 「えーと、そのつもりですけど」

 ――次回以降の課題は。

 「勝負イニングになった5回。あそこの先頭だったりとか、あとは他の投手にもいえることですけど、3巡目ですね。3巡目になると3割打者はなかなか許してくれない、そういう打撃を見せてくるのでね。1軍で今後ローテに定着する大きな壁にぶつかるまえに今日は交代した。今日は初登板した。イニングとか球数以上に疲労はあったと思うので、監督と、今日はここで代えようと。いい一歩は踏み出したけど、これからですよ」

 ――鈴木康の8回好投の要因。

 「8回というより終盤という捉え方をしてもらいたい。最後を締めくくる投手は固定できても、相手打線とか終盤の投入タイミングはまだきっちり決まっているところまでいかないですけど、顔ぶれがそろってきたのは明るい材料かなと思います。鈴木康と中川は流動的。それに加えて高梨、大江、三上もそうですし」

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