阪神・大山 激走で劇勝“足”スト!「野球はツーアウトからだと思っていた」9回二塁打でドラマ演出

[ 2023年5月21日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1-0広島 ( 2023年5月20日    甲子園 )

サヨナラのホームを踏む大山(撮影・岸 良祐)
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 阪神・大山が、全力でホームを駆け抜けた。野球は何が起こるか分からない。最後の一瞬までスピードは緩めない。左足でホームを踏み、そこで初めて両手を広げた。サヨナラ勝利のホームイン。喜びは格別だった。

 「連勝が止まっていたんで、きょうは大事な試合だった。野球はツーアウトからだと思っていました」

 9回2死無走者。延長の気配も漂う中、大山のバットが流れを変えた。森下の104球目は外角高め149キロ直球。コースに逆らわずはじき返した打球は右中間を破る二塁打と化した。土曜日の甲子園。劇的フィナーレの幕を4番がこじ開けた。

 「塁に出ないことには点数が入らない。出れば、後ろに頼もしい後輩たちがいるんで何とかしてくれると思っていた。(佐藤)輝も我慢して四球で出てくれたし、森下が打ってくれて、勝てて良かった」

 佐藤輝が3ボールからの申告敬遠で2死一、二塁。続く森下の打球が三遊間を破った。迷いはない。打った瞬間、ホームを狙いスタートを切っていた。今季21回目の得点が最高の結果につながった。

 守っても8回1死一塁での秋山のライナーをキャッチし、そのままミットでベースタッチして併殺を成功させるなど、安定した動きで投手を盛り立てた。これまでに幾度となくあった「あと1点」が及ばなかった悔しい記憶が、大山の集中力を支えている。

 「大竹を援護することはできなかったけど、これはチームとして本当に大きな一勝。また明日に向けて準備するだけ」と走攻守全てで背中で引っ張るリーダーは、全員でつかんだ勝利を強調した。(鈴木 光)

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