ソフトB・柳田 10戦目やっと出た 目覚めの春1号 3月11日「忘れない」

[ 2023年3月12日 06:30 ]

オープン戦   ソフトバンク5―2西武 ( 2023年3月11日    ベルーナ )

<西・ソ>3回、逆転2ランを放つ柳田(撮影・久冨木 修)
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 目覚めの一発!ソフトバンク・柳田悠岐外野手(34)が11日、西武戦に出場しバックスクリーンへ豪快なオープン戦1号を放った。対外試合では出場10試合目で待望の初弾。オープン戦6試合目で初のマルチ安打もマークした。東日本大震災が発生した2011年にプロ入りし、復興とともにフルスイングで歩んできた男は、開幕にきっちり照準を合わせている。試合は5―2でソフトバンクが勝利を収めた。

 長い滞空時間にきれいな放物線。まさに柳田らしい打球はベルーナドームのバックスクリーン中央にストンと落ちた。2本塁打した2月21日の紅白戦以来の一発。対外試合では今季初アーチに、少し笑った。

 「結果は出ていないんで僕以外は心配しているんじゃないかなと。いい形では振り抜けて、結果が出た感じ」

 1―2の3回無死二塁で、高めのつり球要求に対して、与座のボールが“枠”に入ったのを逃さなかった。初回2死では右前打。初のマルチ安打もマークした。

 前回アーチを描いた日は、和田と三森の誕生日だった。この日は3月11日。また大切な日だ。「震災ですね」。ルーキーイヤーの11年3月11日に発生した東日本大震災の影響で、地元・広島のマツダスタジアムで開催予定だった翌12日のオープン戦は中止となり、家族、友人らに雄姿を披露できなかった。

 「むちゃくちゃ、今でも覚えていますよ。打てたのは関係ないですけど、もちろん忘れません」。震災の年から、被災地の復興とともにプロで年月を重ねて13年目に達した。主将として、主砲として3年ぶりの頂点に向けて、試行錯誤を続けている。

 「投手に対してどういう見方かスイングか、イメージは何百種類かある。いろいろと試すのはシーズン中も変わりません。常に追い求めつつ」。まずは、日本中が忘れてはいけない日に1本。努力が結実した。このことは、柳田は忘れない。(井上 満夫)

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2023年3月12日のニュース