松坂大輔氏 侍・朗希の世界デビューを絶賛「21歳とは思えない落ち着き」

[ 2023年3月12日 05:25 ]

WBC1次ラウンドB組   日本10ー2チェコ ( 2023年3月11日    東京D )

<日本・チェコ>力投する佐々木朗(撮影・光山 貴大)
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 【松坂大輔 視点】ついに「世界デビュー」を果たした佐々木朗投手。直球のスピード、フォークの切れ味ともに抜群でした。気持ちよく腕を振っている印象でしたね。2試合に登板した強化試合でも素晴らしい投球でしたが、それ以上のものを本番で出してきたな、と思いました。

 立ち上がりから当然、緊張感はあったでしょう。それ以上に感じたのが大舞台でのメンタル面の落ち着きです。1点を先制され迎えた3回1死一、二塁。緊迫の展開で相手の4番打者を打席に迎えた場面が印象的でした。

 高めの直球で空振りかファウルでカウントを稼ぎ、最後はフォークで決めたいところ。その通り、佐々木朗投手の初球は高めの161キロ直球。これで空振りを奪い、最後は落差鋭いフォークで三振に仕留めました。角度あるボールで高低の勝負。非常に落ち着いていました。昨年11月の強化試合では滑るボールに対応する中で、変化球にやや苦しんでいる様子が見られました。唯一ともいえる懸念材料でしたが、この日は非常にうまくフォークを操り、高めに抜けることもほとんどなく、精度も抜群でした。

 佐々木朗投手の熱投を見ていて、自分がプロで初めて日本代表の一員として投げた時を思い出しました。99年9月のシドニー五輪予選。自分はプロ1年目で、テレビ朝日の中継で一緒に解説をした古田敦也さんとバッテリーを組みました。古田さんに受けてもらい、安心して投げられたことを覚えています。

 21歳とは思えない落ち着きを見せ、上々の世界デビュー。このまま勝ち抜いて、次は米国の球場で投げる姿をぜひ見たいです。佐々木朗投手にはここから、もっともっと大きな歴史をつくってほしいと思いますね。(スポニチ本紙評論家)

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2023年3月12日のニュース