日本ハムの4番・野村がオープン戦初マルチ 今季への決意込めたバット「1センチ」の違い

[ 2023年3月12日 06:00 ]

オープン戦   日本ハム5-4阪神 ( 2023年3月11日    甲子園 )

<神・日>4回1死、左二塁打を放つ野村(撮影・岸 良祐)
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 確かな感触が両手に残る。日本ハム・野村の打球が右中間を切り裂いた。2回先頭で迎えた第1打席。阪神・桐敷の144キロ外角直球を逆らわず、逆方向へ運んで二塁打とした。4回には1死から先制の口火を切る三塁強襲二塁打。右へ左へ打ち分け、オープン戦初マルチで4番の存在感を示した。

 「1打席目は久々に良い当たりで、自分らしい打席でしたね。スイング的には良くなってきているかな」

 毎年故障に悩まされ、3年目の21年からは左手有鉤(ゆうこう)骨骨折のリスクを減らすため、タイ・カッブ型のグリップに変更した。しかし、同タイプはグリップエンドの端まで小指が下がるため、ここ数年は「少しバットが重く感じる時もあった。イメージ通りの動きとのギャップを感じながら我慢していた」と振り返る。

 故障を恐れ、成績を落としては意味がない。「打てなくて出られないなら、ケガをして出られないのも一緒」と、昨オフに通常モデルのバットに変更。長さは33・5インチ(85・09センチ)と変わらないものの、小指の位置が変わってグリップ分の「1センチ」短く持てるようになり、バットの操作性は上がった。

 キャンプ中は実戦13試合で打率・391も、今月に入って前日まで5試合で18打数1安打と低調が続いた。チームで唯一4番で全試合フル出場の疲労は隠せないが、新庄監督の期待の裏返しでもある。「自分にとって、乗り越えないといけない壁だと思っている」。疲労がたまる中での復活の2安打。決意が込められた「1センチ」を駆使し、4番を務め続ける。(清藤 駿太)

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2023年3月12日のニュース