ネクスト侍は大谷級の“バケモン” オリックス3年目・山下舜平大の進化に注目

[ 2023年3月12日 07:45 ]

10日の巨人とのオープン戦に先発し、無失点の好投をみせた山下(撮影・椎名 航)
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 WBCでの侍ジャパンの活躍に沸く日本球界。山本、宮城、宇田川を送り込んだオリックスの投手陣には次の日本代表入りを狙う若き才能が育っている。福岡大大濠から20年ドラフト1位で入団した3年目の山下舜平大(しゅんぺいた)投手だ。

 今年1月に担当記者となり、宮崎キャンプ第1クールの2月4日にブルペンで初めて投球を見て、そのスケールの大きさに驚いた。

 1メートル90、98キロの恵まれた体。マウンドでの立ち姿や、ゆったりとした投球フォームは、まるで大谷翔平(エンゼルス)のようだ。昨年11月に両足首の手術を受け「まだ7、8割」ながら、ボールはうなりを上げ、捕手のミットが吹き飛びそうな勢いだった。

 本人が目指すのも大谷のように打者を圧倒する投手で「球速は165キロぐらいを目標にやっていきたい」と意欲を見せる。

 そのブルペン投球から1カ月がたち、ブレークの予感は確信に変わりつつある。3月4日の阪神とのオープン戦では中継ぎで登板して1イニングを三者凡退。自己最速158キロをマークして、阪神・岡田監督を「速いなあ、あれ、山下いうの。びっくりしたわ。久しぶりに速い球見たなあ」と驚かせた。

 コンビを組んだ捕手の森は「自分が受けてきた中で一番速い。バケモンですよ」と最大級の賛辞を送った。高校時代に藤浪晋太郎(アスレチックス)、西武時代には平良海馬、菊池雄星(ブルージェイズ)ら日本を代表する速球派投手を受けてきただけに説得力がある。

 10日の巨人戦でも先発して4回途中まで1安打無失点と好投。開幕ローテーション入りでの1軍デビューも現実味を帯びてきた。

 速球と得意のカーブに加え、キャンプで野茂英雄氏から教わったフォークの習得にも力を入れている。まだまだ粗削りで、伸びしろ十分な大谷級のバケモン。どこまで進化していくのか楽しみだ。(記者コラム・中澤 智晴)

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2023年3月12日のニュース