DeNA 外野手“送球力”向上へ「30メートル」球速計測 補殺増加へ期待!育成勝又トップ149キロ

[ 2023年2月5日 05:30 ]

30メートル送球を行う勝又(撮影・島崎 忠彦)
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 【キャンプ追球 数値にFOCUS】外野手にとっての「30メートル」送球。これは、本塁などへの内野手を挟んだ中継プレーで、スピードと正確さが求められる最低限の距離だ。DeNAは、A班(1軍)キャンプに参加している外野9選手についてスピードガンで測定した。

 投手の場合(18・44メートル)と異なるのは、投げる距離だけでなく助走があること。ノーステップ、3メートル助走、6メートル助走で測定し、球速の違いを確認した。正右翼手候補の楠本は128キロ、134キロ、141キロと球速アップ。小池外野守備走塁コーチは「チャージ(打球に向けてのダッシュ)を逆算し、どの程度球速が出ているかを知るのが狙い。助走がうまいと強い球が出る」と説明した。

 最も驚かせたのが、唯一育成選手でA班メンバー入りした勝又だ。投手としてプロ入りし、21年オフに野手転向。最速153キロを投げていた22歳は、141キロ、146キロ、149キロと上げた。身体能力が高く、短い助走の中で一気にスピードを上げて今回トップの数字。小池コーチも「凄かった。あとはそれを生かす技術が必要」と期待を込め、勝又も「数字は1番でも、(外野としての)動作を学ばないと」と、さらなる向上を見据えた。

 今季のDeNAの目標の一つは補殺を増やすこと(外野陣は昨季17)。その出発点としての球速チェックで、勝又という「原石」を確認できたのも収穫だ。「自分も初めてで探りながらだった。でもいい指数(球速)が出た。定期的にこういうものがあると、(返球の目安が)より分かりやすいと思う」と小池コーチ。チームに25年ぶり日本一をもたらすためにも、「30メートル」の質を高めていく。(大木 穂高)

 ≪昨年補殺数セ3位タイ≫DeNA外野手の昨年の補殺数は17。セでは広島29、中日18に次ぎヤクルト、阪神に並ぶ3位タイだった。外野手の補殺数でリーグ1位になれば19年(18補殺)以来4年ぶりとなるがどうか。なお、昨年のチーム外野手個人最多補殺は楠本の6だった。

 ◇勝又 温史(かつまた・あつし)2000年(平12)5月22日生まれ、東京都出身の22歳。日大鶴ケ丘では1年夏からベンチ入りし、3年夏の西東京大会は準Vで甲子園出場なし。高校通算30本塁打。18年ドラフト4位で投手としてDeNA入団。21年オフに育成選手となり野手に転向。昨年4月にBC神奈川に派遣され、3試合に出場した。1メートル80、80キロ。右投げ左打ち。

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